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【奈留島】解体しないと不動産は売却できない?先に確認したいこと

長崎県五島市の奈留島にある実家を相続したものの、「まず解体して更地にしないと売れない」と言われたまま手が止まっている方は少なくありません。島の解体工事は費用の見通しが立ちにくく、決断のハードルが高くなります。この記事では、株式会社大鵬ハウジングが、奈留島の不動産を建物のまま売却できるか確認する手順、解体費用の見方、五島市で使える制度の調べ方を整理します。

  • 解体を決める前に、建物を残したまま売却できるか確認する
  • なぜ「解体してから」と言われてしまうのか
  • 奈留島の不動産で前提になる島の条件
  • 解体費用をめぐるよくある誤解と実際
  • 解体を決める前に踏みたい4つのステップ
  • 解体費用の内訳と、使える制度の調べ方
  • 実際にあった売却のケース
  • 奈留島の不動産についてよくあるご質問
  • 奈留島と五島市の地域事情
  • まとめ

解体を決める前に、建物を残したまま売却できるか確認する

奈留島の不動産の扱いに迷っているなら、解体の見積もりを取るより先に、建物が建ったままの状態で売却できるかどうかを確かめる順番をおすすめします。解体は元に戻せない選択であり、費用を負担したあとで土地が売れ残った場合、手元に残るのは更地と毎年の固定資産税だけになります。

島の解体工事は本土と条件が異なる

本土であれば重機も処分場も近くにありますが、島では前提が変わります。重機の輸送、廃材の海上輸送、作業員の宿泊費など、本土の工事では発生しない項目が見積もりに乗ることがあります。とはいえ、島の解体費が本土の必ず数倍になるとは限りません。島内や近隣の島に業者がいるか、船便の条件がどうかで金額は動きます。複数の業者から見積もりを取り、内訳を並べて比べることが現実的な進め方になるでしょう。

更地にすれば売れる、とは限らない

更地は、新築を予定している買主などに選ばれやすい一方、古家を改修して使いたい人には必ずしも有利になりません。しかも島では、建築資材や職人を船で運ぶ必要があり、本土で建てるより手間と費用がかかります。古家が残っていれば、住まいとして手を入れたい人、二拠点生活の拠点にしたい人、作業場や倉庫として使いたい人まで候補が広がります。買主にとっては、更地よりも古家付きのほうが将来の使い道を描きやすい場面があります。

✓ポイント:解体費用を自己負担したうえで売れ残るという結果を避けるためにも、見積もりを取る前に「建物を残したまま売れるかどうか」を確認しておくと、選べる道が一つ増えます。

なぜ「解体してから」と言われてしまうのか

解体を勧められた経験は、所有者の判断が間違っていたから起きたものではありません。いくつかの事情が重なった結果として、その助言が出てきます。

査定の仕組みからくる理由

中古の戸建て住宅では従来、木造住宅について築20〜25年程度で建物の市場価値をゼロとみなす慣行がありました。国土交通省は建物の状態や維持管理、リフォームの内容を評価へ反映する方向で改善を進めていますが、査定の方法は会社によって異なります。築年数を中心に見る物差しだけを当てはめると、古い建物は評価がゼロに近づき、「建物はマイナス評価、だから解体」という結論に行き着きやすくなります。これは計算方法の性質によるもので、建物そのものに使い道がないことを意味するわけではありません。

取り扱い体制からくる理由

奈留島へは、本土から半日近くかかる経路もあります。現地調査に時間を要する場所では、案内や管理の手間が読みにくく、取り扱い自体を見送る会社もあります。断られる理由は建物の状態だけとは限りません。

価格帯からくる理由

低価格帯の物件は、広告や現地案内にかかる手間とのバランスから、取り扱いを見送られる場合があります。低廉な空家等については仲介手数料の特例も設けられており、取り扱いの判断は会社ごとに異なります。こうした事情が「土地として出したほうが早い」という助言につながることもあります。

奈留島の不動産で前提になる島の条件

本土から二段階でたどり着く島

奈留島は五島列島のほぼ中央に位置する二次離島で、島全域が五島市に属します。福江島を経由する経路のほか、長崎港や博多港から奈留港へ直接寄港する便もあります。

経路 主な手段 所要時間の目安
長崎港 → 奈留港 フェリー 約4時間20分
福江港 → 奈留港 高速船 約30分
福江港 → 奈留港 フェリー 約40〜45分
博多港 → 奈留港 フェリー 約7時間40分

草刈りや換気のたびにこの移動が発生するため、島外に住む所有者ほど管理の負担が積み上がります。現地へ行く回数を減らせるかどうかが、売却を前に進められるかの分かれ目になることも珍しくありません。

同じ島でも建物ごとに扱いは変わる

潮風による塩害、台風時の暴風雨、長く閉め切ったことによる湿気など、傷みの進み方には建物ごとの差があります。加えて、古くから住み継がれた土地では、境界の杭や測量図が残っていない、増築部分が未登記建物(法務局の登記簿に登録されていない建物)のままになっている、といった状態も見られます。島の物件では珍しくありませんが、そのまま必ず売れると言い切れるものでもありません。土地家屋調査士や司法書士、五島市の窓口への確認が前提になります。

出典:第3期五島市空家等対策計画|五島市 https://www.city.goto.nagasaki.jp/s070/daisankigotoushiakiyatoutaisakukeikaku.pdf

解体費用をめぐるよくある誤解と実際

誤解 実際
解体して更地にしないと売れない 更地は買主が資材を島へ運ぶ負担を負う。古家が残っているほうが選ばれる場合がある
人口が減っている島に買う人などいない 島に住む人ではなく、島での暮らしに関心を持つ本土の人が探している
家財を全部空にしないと売れない 古い和箪笥や使える農機具を引き継ぎたい買主もいる

誤解1:更地にしないと売れない

✖ 誤解:古い建物が付いていると買い手はつかない ○ 実際:建物があることで用途を想像できる買主がいる

島に移住した人が最初に困るのは、住む場所の確保です。更地を買って新築するには、設計、資材の輸送、職人の手配と工程が増えます。建物が残っていること自体が、買主にとっての時間短縮になるという見方もできます。

誤解2:人が減っている島に買い手はいない

✖ 誤解:島内で買う人がいないから需要はない ○ 実際:買主候補は島の外にいる

島の不動産を探すのは、島に住んでいる人だけではありません。移住希望者、二拠点生活を考える人、釣りやマリンスポーツを目的にする人、宿や飲食の事業を考える人など、本土に住む層が候補になります。買主を探す範囲を島内に限定しないことが、結果を変える要素になります。

誤解3:家財を全部出さないと話が進まない

✖ 誤解:残置物(家の中に残っている家具や荷物)を処分してからでないと相談できない ○ 実際:残っている状態のまま相談できる場合がある

島外に住んでいると、片付けのために何度も渡航しなければならず、それだけで数か月が過ぎます。片付けを完了させることを売却の前提条件にしない進め方も検討できます。

解体を決める前に踏みたい4つのステップ

ステップ1:現状を把握する

手元にある情報を整理するところから始まります。

  • 登記簿上の名義(相続登記が済んでいるか)
  • 建物の傷み具合が分かる写真
  • 敷地や建物内に何が残っているか
  • 隣地との境界が分かる資料の有無

ステップ2:位置づけと条件を確認する

接道の状況、上下水道や浄化槽(下水道がない地域で生活排水を処理する設備)の有無、増築部分の登記の状態を確認します。奈留島では漁業や農業に使っていた小屋や倉庫が敷地内に残っている例もあり、これらの扱いも整理の対象になります。

ステップ3:解体の見積もりより先に査定を受ける

順番を入れ替えるだけで選択肢が増えます。査定を先に受ければ、建物を残したまま売れるのか、解体が必要なのかを比べたうえで判断できます。逆に解体を先に決めてしまうと、比べる材料が失われます。

ステップ4:買主を全国に向けて探す

島内の需要だけを前提にせず、本土の移住希望者や事業者にも届く形で情報を出すことを検討します。写真や間取り、周辺環境の情報が揃っているほど、遠方の買主が判断しやすくなります。

解体費用の内訳と、使える制度の調べ方

見積書で確認したい項目

金額の総額だけを見ても、高いか安いかは判断できません。内訳を項目ごとに確認します。

項目 内容
本体工事費 建物の取り壊しと基礎の撤去
廃材の運搬・処分費 島外の処分場へ運ぶ場合は海上輸送費が加わる
仮設・養生費 足場、防音や防塵のためのシートなど
付帯工事費 ブロック塀、物置、浄化槽などの撤去
残置物の処分費 家具や家電など、家の中に残っている物の処分
諸経費 届出、重機回送、現場管理など

同じ建物でも、廃材の処理をどこで行うかによって金額の差が出ます。内訳が示されない見積書は、比べる材料になりません

税制と補助制度の確認先

  • 相続した家屋を売却する場合、要件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除できる特例があります。相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること、売却価格が1億円以下であることなどが条件です。令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上の場合の控除額は1人あたり2,000万円が上限になります
  • 建物を解体して更地にすると、住宅用地に対する固定資産税の特例が適用されなくなり、翌年度以降の税額が変わる場合があります
  • 解体(除却)への補助は自治体ごとに制度の有無も内容も異なります。五島市では空き家バンク登録物件の改修や家財処分を対象とする補助が案内されていますが、解体費そのものを対象とする制度があるかは市の窓口で確認が必要です

出典:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

解体費用を先に自己負担せずに手放す方法については、自己負担ナシ買取で具体的な考え方を説明しています。

実際にあった売却のケース

大鵬ハウジングが実際に扱った事例を紹介します。金額や状況は事実の範囲で記載しています。

  • 解体を予定していた物件で査定を実施し、解体せず、マイナスにならずに売却できたケースがありました
  • 他社の査定で建物価値がないとされ、マイナス200万円が提示されていた物件が、180万円で売却できたケースもあります
  • 体調がすぐれず、残置物が多くて片付けられないまま売却を諦めていた物件を、そのままの状態で買い取ったケースもあります

一度の査定結果だけで判断せず、別の会社へ相談することで異なる評価になる場合もあります。

奈留島の不動産についてよくあるご質問

島に行かずに売却の手続きを進められますか

書類の郵送、オンラインでの打ち合わせ、鍵の郵送などを組み合わせることで、現地へ行く回数を減らせる可能性があります。必要に応じて、本人確認などで専門家と連携する方法も取れます。ただし物件の状態や手続きの内容によっては、現地での対応が必要になる場面もあります。まずは今の状況を伝えたうえで、どこまで遠隔で進められるかを確認するところから始めてください。

相続登記が終わっていませんが、相談できますか

相談の段階では登記が完了していなくても構いません。ただし買主への所有権移転登記を行うまでには、原則として相続登記による名義の整理が必要です。相続登記は令和6年(2024年)4月1日から義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請することとされています。それ以前に取得を知っていた場合は令和9年(2027年)3月31日までが期限です。正当な理由なく申請しない場合は過料の対象になるため、司法書士と連携して進めます。

他社でマイナス査定と言われました。相談する意味はありますか

建物の評価をどの物差しで測るかによって、結果が変わることがあります。築年数だけで判断せず、古材や意匠、島での使い道まで含めて見ると、別の評価になる場合もあります。買主を島内に限らず全国に広げて探すことで、条件が変わることも考えられます。他社で断られた物件やマイナス査定となった物件についても、まずは状況を確認するところから対応しています。

境界が分からない土地でも売却できますか

測量図が残っていない土地は、島の物件では珍しくありません。境界非明示(土地の境界を新たに測量せず、現在の状態を前提として売却する方法)や現況有姿(建物や土地を現在の状態で引き渡すこと)という進め方もありますが、どの方法が取れるかは物件ごとに異なります。土地家屋調査士や司法書士、五島市の窓口への確認が必要になるため、現地の資料を揃えたうえで判断していく流れになります。

奈留島と五島市の地域事情

奈留島はかつてまき網漁業で栄え、昭和35年(1960年)には9,268人が暮らしていました。その後は人口減少が続き、平成27年(2015年)の国勢調査では2,246人、令和2年(2020年)には1,927人となっています。島内の路線バスが廃止されるなど、生活交通の面でも変化が続いてきました。世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)がある島としても知られています。

五島市の制度で押さえておきたいのは次の点です。

  • 五島市は空き家バンクを運営しており、登録された物件の改修費や家財処分費の一部を補助する制度があります
  • 対象は五島市空き家バンクへ登録された戸建て住宅で、補助対象経費の2分の1以内という枠が設けられています
  • 所有者が利用する場合は、UIターン者や新婚家庭へ賃貸することなどが要件とされ、売却する所有者は補助の対象外です。一方、物件を購入する側が要件を満たして利用できる場合があります
  • 家財処分の運搬と処分については、許可を受けた事業者が行うものが対象とされるなど、施工業者の条件が定められています
  • 交付決定の前に着手した工事は対象外となり、年度内に完了することも要件に含まれます

補助の内容や上限、年度ごとの予算は変わる可能性があるため、申し込みを検討する段階で必ず五島市の窓口に確認することが欠かせません。空き家バンクは買主と売主が出会う場を用意する仕組みであり、価格交渉や契約の実務まで市が代行するものではない点も、あわせて理解しておきたいところです。

出典:空き家バンク 改修・家財処分補助金|長崎県五島市移住サイト https://goto.nagasaki-tabinet.com/iju/support/detail_14.html

まとめ

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奈留島の不動産について、解体を勧められて迷っている場合の要点を3つに整理します。

  • 解体は元に戻せない選択であり、費用を負担しても土地が売れ残る可能性が残ります。見積もりより先に、建物を残したまま売却できるかを確認する順番が有効です
  • 島の解体費は条件によって幅があります。内訳を確認し、複数の見積もりを比べたうえで判断します
  • 買主候補は島内だけではありません。移住希望者や事業者を含め、本土まで範囲を広げて探すことで評価が変わる場合があります

大鵬ハウジングは、五島市の奈留島にある不動産についても、解体を前提にせず売却の可能性を確認するところから相談を受けています。残置物が残ったままの状態や、他社で扱いを断られた物件も対象です。

解体費用を自己負担せずに手放す方法は自己負担ナシ買取で、離島の不動産売却の全体像は離島にある不動産の売却・買取査定で確認できます。

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