オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏
【犬上郡】空き家バンクと買取の特徴を見比べてみた|違いをわかりやすく

空き家を手放す方法は一つではありません。犬上郡の豊郷町・甲良町・多賀町には、それぞれ空き家・空き地に関する情報登録制度があります。ただし、こうした制度は売買を代行する窓口ではなく、買取や仲介とは役割が異なります。選べる入り口は、町の空き家・空き地情報制度・仲介売却・買取の三つ。かかる時間も手元に残るものも違います。「空き家バンク 買取 違い」と検索してこのページにたどり着いた方の多くは、どれが自分の家に合うのか判断がつかずに迷っているのではないでしょうか。滋賀県犬上郡の三町のように、田畑や里山が身近にあり、都市部とは買い手の見つけ方が異なる地域では、方法選びが結果を大きく左右します。株式会社大鵬ハウジングは全国の空き家を扱ってきた立場から、三つの方法の中身を並べて整理します。大切なのは「どれが優れているか」ではなく、ご自身の目的に合っているかという視点です。
空き家を手放す主な方法は三つ
空き家の処分を考え始めた方が最初につまずくのは、「そもそも選択肢が何種類あるのか」がはっきりしないことです。まずは全体像をつかんでおきます。
空き家バンクという仕組み
空き家バンクは、自治体が空き家の情報を集め、移住や定住を望む人に紹介する制度です。運営しているのは市町村で、営利目的の販売サイトとは性格が異なります。多くの場合、登録の申請後に町や関係団体による確認を経て、町のホームページなどに物件情報が掲載され、興味を持った人からの問い合わせを待つ形になります。ただし、権利関係が複雑な場合や大規模な修繕が必要な場合など、状況によっては登録できないこともあります。
注意しておきたいのは、バンクはあくまで情報を結ぶ場であって、売買そのものを行う窓口ではないという点です。実際の交渉や契約は、宅地建物取引業者を通じて当事者どうしで進めるのが一般的で、町が仲介に関与しない運用も少なくありません。利用者側にも「定住すること」「自治会に加入すること」といった条件が付くことがあります。
- 運営主体:市町村(一部は民間・団体へ委託)
- 主な目的:移住・定住の促進による地域の活性化
- 買主の中心:その地域に住みたい人
つまり、バンクは地域に住んでくれる人と出会うための入り口です。売却の期限が決まっている方にとっては、その性格を理解したうえで使う制度だと考えておくと、期待とのずれが起きにくくなります。
豊郷町空き家・空き地情報バンクのご案内|豊郷町 https://www.town.toyosato.shiga.jp/0000001526.html
仲介売却という仕組み
仲介売却は、不動産会社に販売活動を任せ、買いたい人が現れるのを待つ方法です。市場価格に近い金額での成約が期待できる一方、買主が見つかるまでの期間は読めません。売れるまでは固定資産税も管理の手間も所有者に残ります。
売れたときには仲介手数料が発生します。宅地建物取引業法にもとづく上限が定められており、2024年7月からは売買価格800万円以下の宅地・建物について、上限が33万円(税込)まで受け取れる形に見直されました。この特例で報酬を受け取る場合、不動産会社は媒介契約の前にあらかじめ金額の範囲を説明し、依頼者の合意を得る必要があります。契約前に必ず確認しておきたい部分です。
買取という仕組み
買取は、不動産会社が直接買主となって空き家を買い受ける方法です。買いたい人を探す工程がないため、話がまとまれば契約から決済までが短く収まります。荷物が残ったままでも、名義が親のままでも、状況を整理しながら進められるケースがあります。
三つを並べると、バンクは「出会いを待つ制度」、仲介は「市場で買主を探す方法」、買取は「会社が買い受ける方法」と整理できます。この違いを押さえておくだけでも、次に読む情報の受け取り方が変わってきます。
三つの方法は、仕組みがどう違うのか
スピード・価格・手間の違い
三つの方法は、時間・金額・手間が互いに引っ張り合う関係にあります。時間をかければ条件は整いやすくなり、短くすれば手間と不確実さが減ります。
- スピード:買取がもっとも短く、仲介は買主次第、バンクは登録後も問い合わせを待つ期間が読めません
- 価格:仲介は市場価格が基準、買取は会社が再販や改修の費用を見込んだ金額、バンクは当事者間の話し合いで決まることが多いです
- 手間:買取は書類と現地確認が中心、仲介は内覧の受け入れや条件交渉が続きます
それぞれが力を発揮する場面
バンクは、地域に暮らしてくれる方へ家を引き継ぎたい思いがある場合に向きます。仲介は、建物の状態がよく利便の保たれた立地で力を発揮します。買取は、遠方で管理に通えない、相続人が複数いて早く整理したい、といった事情がある場合の現実的な選択肢です。
どれか一つが正解というより、事情によって最短の道が変わると考えるのが実態に近いといえます。
空き家等に係る媒介報酬規制の見直し|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001749923.pdf
メリットとデメリットを表で見比べる
文章で読むと似て見える三つの方法も、並べてみると輪郭がはっきりします。
| 項目 | 空き家バンク | 仲介売却 | 買取 |
|---|---|---|---|
| 手放すまでの期間 | 読みにくい | 買主次第 | 短く収まりやすい |
| 想定される金額 | 当事者間の合意による | 市場価格が基準 | 市場価格より控えめ |
| 手間・負担 | 登録手続きと問い合わせ対応 | 内覧・条件交渉が続く | 書類確認が中心 |
| 向いているケース | 地域に住む人へ引き継ぎたい | 状態・立地に強みがある | 早く確実に整理したい |
表を眺めると、金額の高さと確実さは同時に得にくいことが見えてきます。目的をひとつに絞ると、選ぶべき方法は自然と決まります。「なんとなく高く」ではなく、「いつまでに、どういう状態にしたいか」から逆算してみてください。
目的から選ぶ、自分に合う方法
早く手放したい場合
固定資産税の負担が続いている、台風のたびに屋根が気にかかる。そうした状況では、時間そのものがコストになります。買取であれば、書類と名義の状況が整っていれば短期間での現金化に対応できる場合があります。大鵬ハウジングでは、担当者一人ひとりに2,000万円以内の決裁権があり、価格帯や権利関係、必要書類などの条件が整う場合には、平日であれば当日中に買取可否の見通しを出せるケースもあります。ただし、決裁権があることは「必ずその額で当日買い取る」という意味ではありません。相続の手続きが途中であったり登記の内容に確認が必要であったりすれば日数を要しますので、実際の見通しは物件ごとに確かめることになります。
「壊してから」が前提とは限らない
「古い家が建っていては売れないから、まず解体しよう」と考える方は少なくありません。ただし、解体費は原則として所有者の負担で、建物の規模や搬出路の狭さ、蔵や納屋の有無によって金額は大きく変わります。犬上郡のように敷地が広く付属建物のある住まいでは、想定より膨らむことも珍しくありません。
さらに、建物を取り壊して更地にすると、土地に適用されていた住宅用地特例が外れ、その土地の固定資産税負担が上がるという点も見落とされがちです。売れるまでの期間が読めないうちに解体すると、費用と税負担の両方を抱えることになります。
- 解体費を自分で負担してから売る
- 建物を残したまま「古家付き土地」として売りに出す
- 建物を残したまま買取に出す
どれが有利かは、建物の状態と売却までの見込み期間で変わります。解体は「売るための必須工程」ではなく、選択肢のひとつとして並べて比べるのが安全です。
条件をじっくり追いたい場合
急ぐ事情がなく、建物の傷みも進んでいないなら、仲介で買主を探す価値は十分にあります。売れるまでの管理と税負担を続けられるかどうかが判断の分かれ目になります。
確実に手放したい場合
「相手が現れるまで待つ」という不確実さを避けたい方には、買取が答えになります。当社は大阪の一店舗体制で運営し、抑えた固定費を買取価格や販売のための費用に振り向ける方針をとっています。また、他社でマイナス査定とされた物件を、全国の買主を探すことでプラス査定として買い取った実例もあります。
三つの道は優劣ではなく、目的の違いです。ご自身が何を最優先にしたいのかを言葉にできれば、迷いはかなり小さくなります。
迷ったときに立ち止まって考えたいこと
判断を先延ばしにするあいだも、空き家は静かに変わっていきます。実際に、相談後に数年悩んでいるうちに空き巣が入り、雨漏りで傷みが進んで危険な状態になった例がありました。相続の手続きを止めているあいだに次の相続が起き、連絡のつかない相続人が現れて売却できなくなった例もあります。
放置が招く行政からの指導・勧告
2023年12月に施行された改正空家法では、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家を「管理不全空家」として、市町村が指導・勧告できる仕組みが加わりました。勧告を受けた場合、その敷地に適用されていた住宅用地特例が解除されます。特例が外れると、土地の固定資産税は最大で六倍相当の水準まで上がりうるとされています。
ただし、指定された瞬間に税額が跳ね上がるわけではありません。実際には助言・指導という段階があり、その時点で草木の管理や修繕など必要な措置をとれば、勧告に至らずに済むことも十分にあります。過度に恐れる必要はないものの、通知が届いた時点が対応の分かれ目である点は知っておいて損はありません。
空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律施行について|全宅連 https://www.zentaku.or.jp/news/9830/
動いたことで結果が変わった例
一方で、動いた結果が変わった例もあります。地元の業者に三年間預けても動かなかった住まいを、空き家バンクの掲載価格と同じ金額のまま、一般のお客様へ約一か月で引き渡せたケースです。買主が地域の中にいなかっただけで、全国に目を向ければ買いたい人がいた、ということでした。
迷いは情報が足りないときに大きくなります。方法を決める前に、まず今の状態を正確に知ることが、遠回りに見えて確実な近道です。
犬上郡ではどの方法が向いているのか
犬上郡の三つの町は、それぞれ独自の空き家制度を設けています。豊郷町には「豊郷町空き家・空き地情報バンク」、甲良町には「甲良町空家・空地情報登録制度」、多賀町には「多賀町空き家・空き地情報バンク」があり、いずれも移住・定住の促進を目的とした情報登録の仕組みです。多賀町では、町は情報提供や連絡調整を担い、交渉や契約には関与しない運用が示されています。豊郷町でも、町は物件の斡旋や仲介を行わず、交渉・契約は滋賀県宅地建物取引業協会から派遣された宅建業者を通じて進める仕組みです。甲良町の制度も、町が空家・空地の情報を登録・提供するもので、売買そのものを町が代行するわけではありません。制度を使う際は、この役割分担を最初に理解しておくことが欠かせません。
地域の実情として、犬上郡では買い手が地元だけでは見つかりにくいことがあります。地域内の買主だけを想定すると話が進みにくく、買主の母集団をどれだけ広げられるかが結果を分けます。
農地・山林・納屋が付いた実家をどうするか
犬上郡で相続される実家には、母屋のほかに田畑や山林、蔵や作業小屋が付いていることが珍しくありません。ここには、住宅だけの物件とは違う手順が必要になります。
- 農地:農地として売買・転用するには農地法にもとづく農業委員会の許可などが必要で、買える相手が限られます。宅地と同じ感覚では進みません
- 山林:隣地との境界が現地で確認しにくく、測量や境界の確認に時間がかかることがあります
- 蔵・納屋:残置物が納屋にまとめて置かれたままになっている例が多く、解体費の見積もりにも影響します
こうした付帯があると、地元の業者から「手間がかかる」と敬遠されることもあります。ですが、条件を整理して正しく説明できれば、買いたい相手が現れないわけではありません。当社は他社でマイナス査定とされた物件を、全国の買主を探すことで買い取ってきた実例があり、母屋と農地・山林をどう切り分けるかも含めて検討します。
- 移住者へ引き継ぎたい思いが強い → 町のバンク制度を軸に検討
- 建物や立地に強みがある → 仲介で買主を探す
- 管理が難しい・相続を早く整理したい → 買取を検討
大鵬ハウジングは大阪を拠点に全国対応しており、彦根や近江八幡から通える距離という価値を、地域外の買主に伝える方法を持っています。「大阪の業者では地元の物件は扱えない」と思われがちですが、実際にはその逆で、地域の外側にいる買主に届けられる点が強みになります。
空き家バンクのご案内|滋賀県 https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kendoseibi/zyuutaku/19000.html
犬上郡で手放し方を相談するときの流れ
相談は、方法を決めてから始める必要はありません。決める前の段階でこそ役に立ちます。
- 現状の共有:所在地、築年数、荷物の有無、名義の状況を伝えます
- 調査:現地確認に加え、役所での調査、周辺の取引状況、生活施設までの距離まで確認します
- 方法の比較提示:バンク・仲介・買取のどれが目的に合うかを、根拠とともに整理します
- 手続き:進める方法が決まってから、必要書類の準備に入ります
相続登記の期限を確認しておく
2024年4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務づけられました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になりえます。施行前に相続した未登記の不動産も対象で、この場合は2027年3月31日までが期限です。遺産分割が長引いて期限に間に合わない場合には、相続人申告登記という簡易な手続きで義務を果たす方法もありますが、これは暫定的な対応で、名義変更そのものが済むわけではありません。売却には正式な登記が必要になります。
当社では訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応します。相続登記が済んでいない、荷物が残っている、こうした状態でも相談は可能で、司法書士や残置物処分の専門業者とも連携しています。買取の場合、売主様の契約不適合責任は原則として免責としています(契約書に明記します)。引き渡したあとに不具合が見つかっても、原則としてさかのぼって責任を問われることのない取り決めです。ただし、すでにわかっている雨漏りや傷み、権利関係の問題などは、事前にお伝えください。あらかじめ共有していただくことで、引き渡し後のトラブルを避けられます。当社ではこの取り決めを契約書に明記しており、売却後のトラブルは起きていません。
相談の目的は契約を急ぐことではなく、判断材料をそろえることにあります。話を聞いたうえで「今は動かない」と決めるのも、立派な結論のひとつです。
相続登記の申請義務化について|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
対応エリア
犬上郡(豊郷町、甲良町、多賀町)
まとめ

空き家バンク・仲介売却・買取は、目指すものが違う三つの道です。バンクは地域に住む人との出会いを待つ制度、仲介は市場で買主を探す方法、買取は会社が直接買い受ける方法。時間・金額・手間のうち、何を最優先にするかで選ぶ道は変わります。
犬上郡の豊郷町・甲良町・多賀町では、それぞれの町が独自の情報登録制度を運営していますが、その仕組みは売買を代行するものではありません。農地や山林、納屋が付いた実家をどう切り分けるか、解体してから売るのか建物を残すのか、相続登記の期限にどう間に合わせるか。買い手が地元で見つかりにくい状況では、こうした一つひとつの判断が結果を左右しますし、買主を探す範囲そのものを広げる発想も助けになります。株式会社大鵬ハウジングは、全国の買主とつながる体制と、役所調査まで踏み込んだ査定で、犬上郡の空き家に合う手放し方を一緒に探します。まずはご自身の空き家が今どういう状態にあるのかを知ることから始めてみてください。



