オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏
【小牧市】空き家を寄付したい|誰かに使ってもらう方法と注意点

名古屋市内に勤めながら、小牧市の桃花台にある実家を相続した——そんな50代の方から、「売るというより、誰かに住んでもらえたら」というご相談をいただくことがあります。実際に「空き家 寄付」と検索してみたものの、受け入れ先が見つからずに止まってしまった、という声もよく届きます。株式会社大鵬ハウジングは年間約2,400件のご相談、300〜400件の成約に携わっており、その中には「お金より、活かしてほしい」という思いから始まったご依頼もあります。この記事では、寄付という手段がどこまで現実的なのかを整理したうえで、小牧市で空き家を次の住まい手につなぐ具体的な道筋をお伝えします。
「誰かに使ってほしい」と考える人が増えている理由
空き家の相談というと、まず思い浮かぶのは売却や解体かもしれません。ところが実際の窓口では、「お金は二の次でいいから、この家を残したい」という相談が一定数を占めます。特に、両親が建てて自分も育った家となると、金額の話に入る前に気持ちの整理が必要になります。
小牧市の実家が空き家になるまで
たとえば、名古屋市内に勤める50代の方が、小牧市東部の桃花台エリアにある実家を相続したケースを考えてみます。両親が1980年前後の入居開始とともに買った戸建てで、庭も広く、建物は手入れが行き届いていて十分住める状態です。ただ本人は名古屋市内に自宅を持ち、きょうだいも県外にいます。誰も戻らない、けれど傷んではいない——この「もったいない」が、寄付を考え始める入り口になります。
小牧市の空き家には、こうした流れで生まれたものが多く含まれます。市が令和7年度に行った空家等対策計画の中間見直しでは、市内の空き家899棟のうち、691棟が「中古住宅として売却や賃貸などの利活用が期待できる空き家」と整理されました。ただし、これは制度上の分類であり、個々の建物が現状のまま居住できるかどうかは、劣化状況や法令上の条件によって変わります。それでも、壊す前提ではなく、活かす前提で数えられている空き家が多いのが小牧市の実情です。
壊したくないという気持ちには根拠がある
「思い出があるから壊せない」は感情の話に見えて、実は合理的でもあります。
- 解体費用は、建物の構造や床面積、接道条件、残置物、アスベストの有無などによって大きく変わり、現地調査を受けなければ正確な見積もりは出せない
- 建物を取り壊し、1月1日時点で土地が住宅用地に該当しなくなると、原則として固定資産税・都市計画税の住宅用地特例が適用されなくなる(建替え中などの個別の取扱いもある)
- 十分住める建物を壊すと、住まいとして評価される余地まで失う
小牧市では老朽空き家の除却を後押しする補助制度が設けられていましたが、この空き家等除却工事費補助金は令和7年度をもって廃止され、令和8年度からは売却や賃貸といった利活用を進める施策へと軸足が移りました。行政の側も「壊す」から「活かす」に舵を切ったわけです。壊したくないという気持ちは、いまの流れとむしろ噛み合っています。
小牧市空き家等除却工事費補助金(令和7年度をもって廃止)|小牧市 https://www.city.komaki.aichi.jp/admin/soshiki/toshiseisakubu/toshikeikaku/kyozyusuisin/1/27994.html
空き家の寄付は実際どこまで可能なのか
では、寄付という形は選べるのでしょうか。結論から言えば、可能性はゼロではないものの、受け入れ先の判断は個別事情によるところが大きいのが現実です。断られた経験がある方も、原因は物件の価値ではなく、受け取る側の事情にあることがほとんどです。
自治体への寄付が難しい理由
自治体が土地建物を受け取ると、その不動産は固定資産税の課税対象から外れ、同時に管理責任と維持費が市の側に生じます。所有者が希望すれば受け入れてもらえるという制度ではなく、公共利用の必要性、維持管理費、境界、権利関係、建物状態などを踏まえて自治体側が個別に判断します。寄付を検討する場合は、まず担当課へ利用目的や条件を確認することが出発点になります。
個人・法人への譲渡でつまずくところ
「知人に無償で譲る」という方法も、税金と手続きの面で思わぬ負担が生じます。
| 譲る相手 | 主な確認事項 | 注意点 |
|---|---|---|
| 個人(知人・親族など) | 受贈者に贈与税、不動産取得税、登録免許税などが生じ得る | 贈与税は評価額・基礎控除・選択する課税方式などで変わる |
| 法人(企業・団体) | 贈与者に時価譲渡とみなした譲渡所得課税が生じ得る | 法人側の受贈益等の処理も含め、双方の税務確認が必要 |
| NPO法人・地域団体 | 法人格、受入目的、登記名義、修繕費、管理体制を確認する | 任意団体は法人格がなく、団体名義で登記できない場合がある |
税務上の扱いは、相手の法人格、公益性、不動産の評価額、寄付の目的などによって変わります。無償だから負担もゼロ、とは限らない点は先に押さえておきたいところです。具体的な譲渡契約を結ぶ前に、税理士や司法書士へ確認することをおすすめします。
国に引き取ってもらう制度との違い
相続または遺贈で取得した土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度もありますが、建物がある土地は申請できないため、建物を残したい方には適していません。ただし、解体して更地にすれば必ず承認されるわけではなく、境界や権利関係、土地の管理上の問題など、ほかの要件も審査されます。承認された場合は、審査手数料のほか、原則として10年分の標準的な管理費相当額を基礎とする負担金が必要です。寄付や国への引き取りの道が難しく見えても、活かす方法自体は別に残っています。
相続土地国庫帰属制度について|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html
寄付以外に空き家を活かす選択肢
「誰かに使ってほしい」という願いは、寄付でなくても叶えられます。むしろ、家を長く使い続けてもらうという意味では、次に挙げる方法のほうが確実です。
| 方法 | 想定される活用例 | 所有者の手間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 買取+リフォーム再販 | 改修されて次の家族の住まいに | 少ない | 建物を残したい/早く整理したい |
| 買取+賃貸活用 | 住まいに困っている方の借家に | 少ない | 使う人の顔まで気にかけたい |
| 空き家バンク登録 | 市を通じて利用希望者へ | 中程度 | 時間をかけても地域内で探したい |
| 賃貸として自分で貸す | 借主の住まい | 多い | 所有を続けたい・管理を任せられる先がある |
買取後にリフォームして住まいに戻す
大鵬ハウジングでは、「実家を壊したくない」という女性の物件を買い取ったあと、数百万円をかけてリフォームし、次の住まい手へつないだ実績があります。リフォームは自社施工のため、どこにいくらかければ再び住める家になるかを見積もりの段階で判断できます。解体を前提にせず、建物を残す方向で査定できるのは、この体制があるためです。
住まいに困っている方へ賃貸として活かす
さらに踏み込んだ例もあります。「お金より、困っている人のために活用してほしい」というご高齢のご夫婦のご依頼で買い取った家を、リフォームしたうえで、生活困窮者・外国人・ひとり親世帯へ月額1万円程度の家賃で賃貸しています。売主様の思いをそのまま形にしたケースです。いずれも過去の個別事例であり、すべての物件で同様の活用方法や条件をお約束するものではありませんが、寄付という形にこだわらなくても、活かす道はあるということは変わりません。
小牧市の空き家バンクで使う人につなぐ
小牧市では、「全国版空き家・空き地バンク(LIFULL HOME’S・アットホーム)」と「公益社団法人愛知県宅地建物取引業協会版空き家・空き地バンク」が案内されています。全国版へ建物を登録する場合は、不動産事業者と売却または賃貸の媒介契約を結んでいることなどが条件となり、市は個別の交渉や契約には直接関与しません。つまり空き家バンクは、市が物件を買い取ったり寄付を受け入れたりする制度ではなく、利用希望者へ情報をつなぐ仕組みです。活用方法や不動産事業者選びに迷う場合は、市の「住まいのコンシェルジュ」への相談も案内されています。制度と民間の売却は対立するものではなく、条件が合うほうを選べばよい関係です。
小牧市空き家バンクについて|小牧市 https://www.city.komaki.aichi.jp/admin/soshiki/toshiseisakubu/toshikeikaku/kyozyusuisin/1/27956.html
思いを次につなぐための進め方
活かす道を選ぶとき、最初に決めるのは価格ではありません。「どう使われてほしいか」を伝えられるかどうかで、その後の提案が変わります。
譲れない条件を先に言葉にする
所有権を手放した後の建物の使い方は、原則として買主が判断します。ただし、査定や契約の前に希望を伝えて交渉することは可能です。大鵬ハウジングは、売主様の希望に合わせたオーダーメイド型の売却に対応しており、次のような要望も最初に共有していただければ提案に反映できます。
- できれば建物は壊さず、住まいとして使ってほしい
- 近所に売却を知られたくない(広告を出さずに買主を探した実績があります)
- 住み続けながら現金化したい(リースバックで対応できる場合があります)
- 仏壇や庭木など、扱いに配慮してほしいものがある
利用方法を重要な条件とする場合は、どこまで契約書に反映できるかを含めて専門家に確認するのが確実です。なお、条件を伝えるほど提案は具体的になりますが、希望条件によっては買主候補や売却条件が限られる場合があります。
費用と手続きで確認しておくこと
金銭面は、後から揉めやすい部分だけを先に潰しておけば十分です。
- 査定は無料で、交通費や出張費を請求することはありません
- 買取では、相続登記や所有権移転登記などの登記費用を当社が負担します。ただし印紙税や譲渡所得にかかる税金など、売主様側で生じる費用は別にあります
- 各スタッフに1億円以内の決裁権があり、条件が整えば平日当日中の対応も可能です。ただし金額も日程も物件の状況によるため、必ず当日買取になるとお約束するものではありません
売主様の契約不適合責任は、原則として免責としています(契約書に明記)。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は、事前にお伝えください。売却後のトラブルは0件です。思いを託す相手だからこそ、条件面は書面で確かめておくのが安心につながります。
小牧市で空き家を活かす可能性
小牧市は名古屋の北に位置し、市内には複数の工業団地があり、製造業や運送業を中心に多くの企業が立地しています。市東部の桃花台ニュータウンは1980年の入居開始から40年以上が経ち高齢化が進み、2006年にはアクセス路線だった桃花台線(ピーチライナー)も廃止され、現在の公共交通はバスが中心です。
小牧市内でも、駅やバス停までの距離、接道条件、用途地域、建物の状態、敷地の広さによって活用のしやすさは変わります。小牧駅周辺と桃花台ニュータウン一帯では交通条件や住宅の成り立ちが異なるため、「市内だから一律に需要がある、またはない」と判断せず、物件ごとに調べることが重要です。市には若年層の定住や中古住宅の利活用を目的とした定住促進奨励金もありますが、対象世帯や居住期間などに条件があり、誰もが使える制度ではありません。
大鵬ハウジングは大阪1店舗から全国に対応しており、地元の不動産会社では出会えない買主とつながることがあります。エリアの事情がどうであれ、まず現地の状態を調べたうえで活かし方を考えるのが確実です。
小牧市で空き家の活用を相談するには
相談の入り口は、書類がそろっていなくても構いません。実際の流れは次のとおりです。
- 物件の所在地と現況をお聞きし、活かしたい方向をうかがう
- 現地を訪問し、建物の状態・接道・周辺環境まで調査する
- 残す場合と手放す場合の見通しを、根拠とあわせてお伝えする
- ご希望に沿う方法を選んでいただく
調査では、一般的な価格査定に加え、商業施設・病院・学校までの距離や時間、直近の近隣状況まで確認します。全スタッフが工務店または大手不動産会社での実務経験10年以上。訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応します。相続登記が済んでいなくても、相談・査定・相続人の確認・必要書類の収集など、売却に向けた準備は始められます。ただし所有権移転を完了する前には、原則として相続登記で名義を整える必要があります。弁護士・司法書士・税理士などの専門家と提携しており、当社が窓口となり、登記申請や法律相談は各資格者が担当します。
急いで結論を出す必要はありません。ただ、人が住まない家は傷みが早く進みます。判断を先送りにするほど選べる道が減るという意味では、状態のよいうちに見通しを立てておくほうが、選択肢は広く残ります。
小牧市の空き家買取・対応エリア
小牧、堀の内、中央、小牧原、間々、久保一色、北外山、南外山、東田中、村中、大草、池之内、篠岡、光ケ丘、桃ケ丘、城山、上末、下末、本庄、岩崎
※上記に記載のない町名でも、小牧市内であればすべて対応可能です。
まとめ

空き家の寄付は、受け取る側の税負担や管理責任という事情から、思うように進まないことが多いのが現実です。それでも、「誰かに使ってほしい」という願いが行き場を失うわけではありません。買取後のリフォームで次の住まい手につなぐ方法、住まいに困っている方へ貸し出す方法、小牧市の空き家バンクを利用する方法と、選べる道は複数あります。市自体も令和8年度から利活用を進める方向へ切り替えており、追い風は吹いています。株式会社大鵬ハウジングは、価格だけでなく「どう使われてほしいか」から一緒に考える相談をお受けしています。名古屋に暮らしながら小牧市桃花台の実家をどうするか迷っているなら、旧分譲地の家がまだ元気なうちに、活かす前提で見通しを立ててみてください。
この記事の監修者
株式会社大鵬ハウジング
代表取締役 久保 友宏
地方・田舎の空き家、相続不動産、訳あり不動産などの売却相談に対応。
年間約2,400件の相談実績を持ち、ファイナンシャルプランナーとして不動産売却後の資産整理についてもサポートしています。



