オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏
【桑名市】行政指導された空き家を放置するとどうなる?

桑名市の都市管理課から「空家等の適正管理について」といった文書が届き、封を開けたまま机の上に置いている——そんな状態でこのページにたどり着いた方も多いはずです。行政からの働きかけには段階があり、最初の助言・指導の時点で動けば、特定空家への指定や税金の負担増といった重い展開は避けられる余地が残っています。逆に、届いた通知を数年放っておくと、選べる手段が一つずつ減っていきます。この記事では、桑名市で行政指導を受けた空き家が放置されるとどうなるのか、段階ごとの行き先と今できる手当てを、株式会社大鵬ハウジングが実務の目線で整理します。
桑名市から届く空き家の通知には段階がある
役所からの文書というだけで身構えてしまいますが、最初に届くものの多くは「命令」ではありません。空家等対策の推進に関する特別措置法では、市町村が空き家の所有者に働きかける手順が段階的に定められています。桑名市もこの法律と、市独自の桑名市空家等指導要綱に沿って動いています。
助言・指導から命令までの流れ
行政の働きかけには段階があります。ただし、管理不全空家等と特定空家等では、法律上の手続きの流れが異なる点に注意してください。
| 区分 | 手続きの流れ | 所有者側の状況 |
|---|---|---|
| 管理不全空家等 | 指導 → 勧告 | 勧告を受けると住宅用地特例が外れる |
| 特定空家等 | 助言・指導 → 勧告 → 命令 → 代執行 | 勧告で住宅用地特例が外れ、命令に従わないと代執行・過料の対象にもなりうる |
いずれの区分でも、いきなり重い措置には進みません。桑名市の場合、通行人や近隣住民からの通報は「空家等相談依頼フォーム」で受け付けられ、写真や位置情報とともに市へ届きます。所有者が気づかないうちに、庭木の越境や瓦のずれが市に把握されている、という順序になりやすいわけですが、最初に届く文書の多くは指導・助言の段階であり、この時点ではまだ自分で改善方法を選んで動けます。
特定空家等と管理不全空家等の違い
2023年12月に施行された改正法で、管理不全空家等という区分が新設されました。倒壊のおそれなど深刻な状態に至った「特定空家等」の一歩手前で、放っておけばそうなりそうな空き家を早い段階で指導できるようにした仕組みです。
- 特定空家等:倒壊のおそれ、著しい衛生上の有害性、著しい景観の悪化などが認められる状態
- 管理不全空家等:そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある状態
どちらに該当するかを判断するのは市であり、所有者が自己判断で「うちはまだ大丈夫」と決められるものではありません。逆にいえば、心当たりがある段階で市に相談すれば、どの区分に近いのかを確認したうえで動けます。通知は罰ではなく、あくまで改善を促す合図として受け取るのが実情に合っています。
空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
行政指導された空き家を放置するとどうなるか
指導の文書を無視し続けた場合、次に起きるのは金銭的な負担の増加です。しかも増え方が一度きりではなく、毎年続く形になります。
勧告で住宅用地特例が外れる仕組み
住宅が建っている土地には、固定資産税の課税標準を軽くする住宅用地特例が適用されています。ところが特定空家等・管理不全空家等に指定されて勧告を受けると、その敷地は特例の対象から外れます。
ここで押さえておきたいのは、税額の増え方が物件ごとに違うという点です。課税標準の計算の前提が変わるため、実際にいくら増えるかは土地の評価額や負担調整措置の効き方によって変わります。ひと言でまとめられる倍率はありません。また、対象となるのは固定資産税だけではなく、市街化区域内であれば都市計画税も同じ特例除外の対象になります。
もう一つ、時期のずれも誤解されやすい部分です。固定資産税は毎年1月1日時点の状態を基準に課税されます。秋に勧告を受けた場合、税額に反映されるのはその年ではなく翌年度以降となるため、「通知が来た月から急に請求が変わる」という動き方はしません。裏を返せば、勧告を受ける前に必要な修繕や除却で管理不全な状態を解消できれば、特例が外れる事態そのものを避けられる可能性があります。売却を検討する場合も、行政から何を指摘されているのかを先に確認したうえで進めるほうが、後戻りのない判断になります。
命令・行政代執行まで進んだ場合の負担
勧告に応じないと命令へ進みます。命令された措置を履行しない場合には、市が代わりに必要な措置を行う行政代執行に至ることがあり、その費用は所有者へ請求されます。命令の内容は危険箇所の除去など建物の状態によって異なり、行政代執行が常に建物全体の解体になるとは限りません。さらに、命令に違反した場合は50万円以下の過料の対象となることがあります。
もう一点、見落とされがちな不利益があります。桑名市には特定空家等の除却費用(工事費の3分の1・上限30万円)を補助する制度がありますが、措置命令を受けたものは補助の対象から除かれています。募集件数や期間は年度ごとに設定されるため、動くのが遅れるほど「自分で壊す場合に使えたはずの支援」を受けられる年度の枠を逃すことにもなりかねません。ただしこれは指導の段階で手を打てば回避できる話であり、通知が届いた時点ではまだ選択肢は残っています。なお、除却によって住宅用地特例が外れ固定資産税が上がる場合でも、桑名市では事前に税務課へ相談することで相当額の減免を受けられる場合があるとされており、解体を決める前に一度確認しておく価値があります。利用を検討する場合は、現在募集中かどうかを都市管理課へ確認してください。
特定空家等の除却にかかる費用の一部を補助します|桑名市 https://www.city.kuwana.lg.jp/toshikanri/tsukamoto.html
通知が届いたら最初に確認する三つのこと
慌てて解体業者を探す前に、手元の書類から読み取れる情報を整理するほうが早道です。
差出人と指摘内容を読み解く
桑名市では、空き家に関する問題の内容によって担当する課が分かれています。届いた文書の差出人を見れば、市が何を問題視しているのかがおおよそつかめます。
- 都市管理課(住まい対策係):建物の老朽化・倒壊の危険
- 環境対策課:ごみの堆積、悪臭、害虫、雑草の繁茂
- 土木課:道路への落下物など通行への影響
- 消防本部予防課、防災・危機管理課:防火・防犯上の問題
老朽化を指摘されているのか、草木や虫の問題を指摘されているのかで、対応の重さはまったく違います。前者は建物そのものの処遇を決める話になり、後者は当面の管理で収まることも珍しくありません。
直すか、手放すかを分ける判断軸
判断が迷子になりがちなのは、「直す」と「手放す」を同じ土俵で比べていないからです。次の三つを並べると輪郭が見えてきます。
- 改善に必要な費用の見当(屋根・外壁・残置物の撤去まで含めて考える)
- 今後その家を誰かが使う予定があるか
- 遠方に住んでいて、年に何度も通えるか
修繕して使う人がいるなら直す価値があります。誰も使う予定がなく、費用も持ち出しになるだけなら、手放したほうが結果的に負担は軽くなります。私たちが実際に受けるご相談でも、役場から危険家屋に関する書類が届いて初めて動き出す方が少なくありません。一度ご相談いただいたあと数年迷っている間に、空き巣に入られ雨漏りも進み、危険家屋と呼ばれる状態になってしまったケースもありました。判断を先送りするほど、家の状態のほうが先に進んでしまいます。
直しきれない空き家は手放すという選択肢もある
修繕にかかる費用が見合わない、遠方で通えない、相続人の間で使う予定がない。こうした条件が重なるなら、売却や買取で所有そのものを終わらせるほうが現実的です。
株式会社大鵬ハウジングは空き家の売却・買取を中心に扱っており、行政から指導を受けた物件、雨漏りや傾きのある物件、荷物が残ったままの物件のご相談も日常的にお受けしています。大阪1店舗から全国に対応しており、地元の不動産会社では出会えない買主とつながることがあります。他社でマイナス査定になった物件をプラス査定で買い取った実績もあります。
- 残置物が片付いていない状態のままでも査定・買取が可能
- 各スタッフに1億円以内の決裁権があり、条件が整えば平日当日中の対応も可能です。ただし金額も日程も物件の状況によるため、必ず当日買取になるとお約束するものではありません
- 査定は無料で、交通費や出張費を請求することもありません
売主様の契約不適合責任は、原則として免責としています(契約書に明記)。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は、事前にお伝えください。売却後のトラブルは0件です。行政指導を受けた家ほど「引き渡した後に何か言われるのでは」と心配される方が多いのですが、その不安を残さないための取り決めを契約書に落とし込んでいます。手放すという判断は投げ出すことではなく、負担の連鎖を止める手当てのひとつです。
行政対応と相続・登記をまとめて相談する
行政指導を受けた空き家は、たいてい別の問題も抱えています。名義が亡くなった親のままだったり、相続人が複数いて話がまとまらなかったり、という状況です。
当社は弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・税理士・FP2級・残置物処分業者と提携しています。当社が窓口となり、登記申請や法律相談などの専門業務はそれぞれの資格者が担当します。市への相談と並行して、名義の整理や残置物の処分を同時に進められるため、所有者が何か所も足を運ぶ必要がありません。
当社の買取では、相続登記や所有権移転登記などの登記費用を当社が負担します。ただし、印紙税や譲渡所得にかかる税金など売主様側で生じる費用もあるため、金額の見通しは査定の段階でご説明します。
放置して不利になった例として多いのが、相続の話し合いが止まっている間にさらに相続が発生し、所在のわからない相続人が出て売却できなくなるパターンです。行政からの通知は、こうした先送りを止めるきっかけとしても使えます。関係者が増える前に手を付けるほど、話は単純なまま終わります。
桑名市の空き家事情と行政の動き
桑名市が令和6年度に自治会の協力を得て実施した実態調査では、市内で2,577件の空家等が確認されています。地区別では桑名地区が2,088件と最も多いものの、世帯数に対する割合でみると多度地区が7.4%、長島地区が6.7%と、いずれも市内平均(5.7%)を上回っており、旧町域のほうが相対的に空き家を抱えやすい状況がうかがえます。同調査では、適正に管理されていないと見受けられる空家等が463件(全体の18.0%)確認されており、桑名市の1地区に限った話ではありません。
こうした状況を踏まえ、桑名市は空家等対策計画を策定して対応を進めています。前段で触れた特定空家等の除却補助のように、支援制度自体は用意されているものの、年度ごとの枠には限りがあるという構図です。地方の中核都市だからといって、空き家が自然に買い手を見つけるわけではありません。地区ごとの事情に合わせて出口を選ぶ必要があります。
令和6年度桑名市空家等実態調査|桑名市 https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/12097/jittaityousa.pdf
桑名市で行政指導を受けた空き家を相談するには
当社にご相談いただく場合、進め方はおおむね次の順序です。
- 届いた通知の内容と、建物・土地の状況をお聞かせいただく
- 現地を訪問し、建物の状態と周辺の環境、相場を調査する
- 調査結果をもとに、買取・仲介・修繕後の活用など取りうる選択肢をご説明する
- 方針が決まってから、契約・決済へ進む
全スタッフが工務店または大手不動産会社での実務経験10年以上。訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応します。建物の傷み具合と直した場合の費用感を現場で判断できるため、「直すべきか、手放すべきか」の材料をその場でお示ししやすいのが特徴です。年間約2,400件のご相談、300〜400件の成約に携わっています。
遠方にお住まいで現地に行けない方には、お迎えの対応もしています。桑名市外・県外から相続した実家を管理している方でも、現地調査や手続きの負担をできるだけ抑えながら進められるよう対応しています(本人確認や契約手続きなど、所有者ご自身にご対応いただく場面はあります)。まずは通知の写しを手元に置いて、状況を話すところから始めれば十分です。
桑名市の空き家買取・対応エリア
中央町、大央町、太平町、高塚町、立花町、田町、大福、千代田町、堤原、伝馬町、常盤町、殿町、宮町、星川、蓮花寺、松ノ木、大山田、長島町又木
※上記に記載のない町名でも、桑名市内であればすべて対応可能です。お気軽にご相談ください。
まとめ

行政指導された空き家を放置すると、勧告で住宅用地特例が外れ、命令・行政代執行へと進むにつれて費用の負担が重くなり、桑名市の除却補助のように使えたはずの支援まで届かなくなります。ただし、これは最初の助言・指導の段階で動けば避けられる展開です。届いた文書の差出人と指摘内容を確認し、直すのか手放すのかを費用と使い道の両面から決める。順序としてはそれだけで、慌てて解体を決める必要はありません。桑名市で空き家の扱いに迷っている方は、株式会社大鵬ハウジングまでご相談ください。名義が未整理でも、荷物が残ったままでも、現状のままで話を始められます。
この記事の監修者
株式会社大鵬ハウジング
代表取締役 久保 友宏
地方・田舎の空き家、相続不動産、訳あり不動産などの売却相談に対応。
年間約2,400件の相談実績を持ち、ファイナンシャルプランナーとして不動産売却後の資産整理についてもサポートしています。



