オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏
【彦根市】解体費用で迷う空き家、壊す前に売却と比べたい判断ポイント

親から受け継いだ彦根市の実家を前に「古いから壊すしかない」と考え、解体の見積もりを取ってみたら想像以上の金額に驚いた——という方もいらっしゃるかもしれません。たとえば京都市内で暮らす50代の方が、彦根城に近い旧城下町の木造の実家を相続し、細い路地で重機が入りにくいために見積もりが膨らんでしまった、といった場合です。空き家の解体は、補助金の有無を確かめ、売却や買取と比べてから決めるのが後悔しない進め方といえます。本記事では、空き家の解体費用の目安や解体補助金の注意点、彦根市ならではの事情を整理しながら、壊す前に比べておきたい判断ポイントを、全国で空き家の売却・買取に携わる株式会社大鵬ハウジングが解説します。
空き家の解体費用はどのくらいかかるのか
解体費用を左右するのは、主に「建物の構造」「延床面積」「立地条件」の3つです。本体工事費の相場感と付帯費用を押さえておくと、提示額が妥当かどうかを判断しやすくなります。
構造と延床面積で変わる本体工事費
建物を取り壊す本体工事の費用は、延床面積に応じて見積もられるのが一般的です。ただし金額は、構造(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造)や規模、接道条件、廃材の処分費、人件費などで大きく変わります。坪単価の相場だけで判断せず、実際の建物で見積もりを取ることが欠かせません。
一般に、木造より鉄骨造、鉄骨造より鉄筋コンクリート造のほうが、取り壊しに手間がかかり費用は高くなる傾向があります。さらに同じ木造住宅でも、次のような条件が重なると費用は上がりやすくなります。
- 前面道路が狭く、重機やトラックが敷地の近くまで入れない
- 隣家との距離が近く、養生や手作業による取り壊しが増える
- 土蔵や離れ、納屋など、母屋以外の建物が残っている
見落としやすい付帯費用
見積もりで差がつきやすいのは、建物本体以外にかかる費用です。
- 家財・残置物の処分費
- ブロック塀、門扉、カーポート、庭木・庭石の撤去費
- 浄化槽や井戸の処理費
- 更地にしたあとの整地費
- アスベスト(石綿)の事前調査費・除去費
アスベストについては、2022年4月から、一定規模以上の解体工事で事前調査の結果を行政へ報告することが義務づけられました。調査費用に加え、含有建材が見つかれば除去費用もかかります。また、床面積の合計が80㎡以上の建物を解体する場合は、建設リサイクル法に基づく届出も必要です。
本体工事費だけで判断せず、付帯費用まで含めた総額で考えることが、解体するかどうかを決める最初の材料になります。
解体費用を抑えるために打てる手
自治体の解体補助金を確かめる
空き家の解体費用の一部を補助する制度を設けている自治体があります。ただし対象は危険な空き家などに絞られることが多く、どの空き家でも使えるわけではありません。まずは市町村の担当課で次の点を確認しておくと安心です。
- 解体・除却に使える補助制度があるか
- 対象となる建物の条件(老朽度、建築年、空き家の期間など)
- 補助の上限額・補助率と、今年度の受付状況
複数の解体業者から見積もりを取る
補助金の有無にかかわらず、費用を抑えるうえで効果が大きいのが相見積もりです。同じ建物でも、業者によって金額も内訳の書き方も異なります。比べるときは合計額だけで判断せず、次の点をそろえて見るのがポイントです。
- 残置物処分や付帯工事が見積もりに含まれているか
- アスベスト調査の費用が別枠になっていないか
- 追加費用が発生する条件が明記されているか
彦根市の空き家相談窓口のページでは、概算の解体費用を試算できるシミュレーターも紹介されています。目安をつかんでから見積もりを依頼すれば、提示額が高いか安いかを判断しやすくなります。
それでも解体は大きな出費です。だからこそ、壊す前に売却や買取と比べるひと手間が、最終的に手元に残るお金を左右します。
空き家に関する相談窓口|彦根市 https://www.city.hikone.lg.jp/kakuka/toshi_seisaku/4/2_2/2/2981.html
解体補助金を当てにする前に知っておきたい注意点
補助の有無と条件は自治体ごとに違う
解体補助金は国が一律に用意している制度ではなく、各自治体が独自に設けるものです。そのため、次のような違いが生まれます。
- そもそも制度がない
- 特定空家など、危険度の高い建物だけが対象になっている
- 年度の予算枠に達した時点で受付が終わる
ネット上の一覧記事は情報が古いこともあるため、自治体の公式ページか担当窓口で最新の内容を確認することが欠かせません。
交付決定前の着工は対象外になりやすい
つまずきやすいのが、手続きの順番を誤ることです。多くの制度はおおむね次の流れです。
- 担当課への事前相談
- 解体業者からの見積もり取得
- 交付申請・審査・交付決定
- 解体工事の契約・着工
- 完了報告・補助金の受け取り
交付決定の前に契約や着工をしてしまうと、補助の対象から外れるのが一般的です。さらに、補助金は工事が終わってから支払われる後払いの方式が多く、いったんは解体費用の全額を自分で用意しなければなりません。
補助金があることだけを理由に、解体を先に決める必要はありません。制度を確かめたら、解体以外の選択肢と並べて比べる。この順番が判断の精度を上げます。
壊す前に検討したい「売却・買取」という選択肢
買取なら解体費をかけずに手放せる
古い空き家でも、建物を残したまま手放す方法があります。
- 古家付き土地として仲介で売る:建物付きのまま土地として売り出し、解体するかどうかは買主に判断してもらう
- 不動産会社に買い取ってもらう:現状のまま引き渡せるため、解体費や残置物の処分費を売主が負担せずに済む場合がある
株式会社大鵬ハウジングはリフォームを自社で施工しているため、「壊す前提」ではなく「直せば活かせるか」という視点でも建物を評価できます。地場の業者から解体費を差し引いたマイナス査定を出された家でも、リフォーム後の再販や賃貸活用を見込んで値段が付くことがあるのはこのためです。
更地にすると固定資産税の負担が変わる
解体前に押さえておきたいのが税金です。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税の課税標準が軽減されています(200㎡以下の部分は評価額の6分の1など)。建物を取り壊して更地にすると、この特例は外れます。
- 税額は毎年1月1日時点の状況で決まるため、年内に解体すると翌年度分から特例がなくなる
- 実際にどれだけ増えるかは、土地の評価額や負担調整措置などによって変わる
一方で、放置すればよいわけでもありません。管理が行き届かず「管理不全空家」や「特定空家」として市から勧告を受けると、建物が残っていても住宅用地の特例は外れます。もっとも、いきなり勧告になるわけではなく、指導(特定空家は助言・指導)の段階で適切に対応すれば避けられる仕組みです。
解体すれば税負担が増え、放置すれば勧告のリスクが残る。この板挟みから抜け出すには、建物があるうちに売却や買取を検討するのが現実的な道の一つです。
解体か売却かを見極める判断ポイント
3つの手放し方を費用と手間で比べる
| 比較項目 | 解体して更地で売る | 古家付き土地で売る | 不動産会社の買取 |
|---|---|---|---|
| 解体費用 | 売主が負担 | 原則不要(価格交渉で考慮されることも) | 売主が事前に解体せず売却できる場合がある |
| 売れるまでの期間 | 買主探し次第 | 買主探し次第 | 短期間で決まりやすい |
| 固定資産税 | 更地になり特例が外れる | 原則として住宅用地特例の対象(勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等などを除く) | 引渡しまで原則として住宅用地特例の対象(同上) |
| 残置物の片付け | 解体前に必要 | 必要になることが多い | 現状のまま相談できる場合がある |
| 向いているケース | 更地を求める買主が多い立地 | 建物に活用の余地がある | 費用や手間をかけず早く手放したい |
「解体して更地」が有利なのは、更地を求める買主が多い立地に限られます。解体費をかけても、売値がそれに見合うほど上がらないこともあります。
解体を先にしないほうがよいケース
次のような状況では、解体の契約を結ぶ前に、売却・買取の査定を受けておくことをおすすめします。
- 解体費用が、土地の想定売却額に近いか上回りそう
- 相続から日が浅く、譲渡所得の特別控除を使える可能性がある
- 梁や柱など、リフォームで活かせる部分が残っている
- 前面道路が狭く、解体費が割高になりやすい
相続した空き家を売る場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除できる特例があります。2024年1月1日以後の譲渡では、一定の要件のもと、売却後に買主側で耐震改修や取壊しを行う場合も対象に加わりました。原則として譲渡した年の翌年2月15日までに工事を完了するなど期限要件があります。彦根市では、この特例に必要な確認書を住宅課が発行しています。適用前に税務署や税理士へ確認してください。
当社でも、地場の業者に「マイナス500〜700万円」と言われていた物件を買い取り、リノベーションして再販した事例があります。解体ありきで進めていれば、生まれなかった結果でした。解体の見積もりと売却・買取の査定を同時に並べて比べることが、損を避けるための確かな方法です。
彦根市の解体事情と補助制度の現状
城下町エリアと郊外で異なる解体の難しさ
彦根市は、エリアによって空き家の性格がかなり異なります。
- 彦根城周辺の旧城下町:間口が狭く奥行きの長い木造家屋が多く、道幅も狭いため解体費が割高になりやすい。河原一丁目〜三丁目と芹町の各一部は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、解体を含む現状変更には市の許可が必要
- 南彦根駅周辺など駅に近い住宅地:土地の需要が比較的あり、更地でも古家付きでも買主を探しやすい
- 鳥居本方面や宮田町などの郊外住宅地・農家住宅:敷地が広く付帯建物も多いため解体費がかさむ一方、土地価格は控えめ
2026年の地価公示を見ても、南彦根駅近くの小泉町の地点が前年から上昇した一方、鳥居本町や宮田町の地点は下落しており、同じ市内でも土地の値動きは分かれています。解体費と土地価格のバランスは立地によって大きく変わるため、「彦根市なら更地にすれば売れる」とは一概にいえません。
彦根市の空き家施策と相談先
2026年9月時点で彦根市の空き家対策ページを確認した範囲では、個人の所有者が一般的な空き家を解体する際に使える市独自の補助制度は案内されていません。市の支援は、次のように「活かす・直す」方向のものが中心です。
- 空き家バンクを通じて取得した空き家を改修する子育て・若年世帯への補助
- 空き家を地域の交流施設などに改修する団体への補助
- 昭和56年5月31日以前に着工された一定の木造住宅を対象とする耐震改修補助(令和8年度〈2026年度〉の申込受付は終了。次年度以降の募集状況は建築指導課の最新案内で確認が必要)
また彦根市では現在、「彦根市空家等の適正管理および活用に関する条例」に基づき、空き家の適正管理や活用を進めています。管理が行き届かない空き家については、都市政策部住宅課が相談・対応窓口となっています。解体補助が見当たらない以上、「補助を待つ」より建物があるうちに売却・買取と比べるほうが現実的です。制度は年度ごとに見直される可能性があるため、最新の状況は都市政策部住宅課でご確認ください。
彦根市で解体か売却か迷う空き家を相談するには
解体業者に見積もりを依頼する前に、不動産会社の査定を受けておくと、比較の材料がそろいます。株式会社大鵬ハウジングでは、次のような流れでご相談を承っています。
- 物件とご家族の状況をお聞きします
- 現地と役所で調査し、周辺環境まで踏まえた査定書を作成します
- 仲介・買取・解体それぞれの見通しをお伝えします
- ご納得いただいた方法で契約・決済へ進みます
査定は無料で、交通費や出張費を請求することもありません。大阪1店舗から全国に対応しており、地元の不動産会社では出会えない買主とつながることがあります。他社でマイナス査定になった物件をプラス査定で買い取った実績もあります。
当社の買取では、各スタッフに1億円以内の決裁権があり、条件が整えば平日当日中の対応も可能です。ただし金額も日程も物件の状況によるため、必ず当日買取になるとお約束するものではありません。
また、当社の買取では、売主様の契約不適合責任は原則として免責としています(契約書に明記)。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は、事前にお伝えください。売却後のトラブルは0件です。
当社の買取では、相続登記や所有権移転登記などの登記費用を当社が負担します。なお、売買契約書の印紙税や、譲渡所得が出た場合の税金など、売主様にご負担いただく費用もあります。弁護士・司法書士・税理士などの専門家と提携しています。当社が窓口となり、登記申請や法律相談などの専門業務はそれぞれの資格者が担当します。
全スタッフが工務店または大手不動産会社での実務経験10年以上。訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応します。年間約2,400件のご相談、300〜400件の成約に携わっています。
彦根市の空き家買取・対応エリア
元町、城町、京町、佐和町、立花町、船町、旭町、大東町、古沢町、河原、芹町、小泉町、西今町、竹ケ鼻町、高宮町、稲枝町、地蔵町、鳥居本町、宮田町、日夏町
※上記に記載のない町名でも、彦根市内であればすべて対応可能です。お気軽にご相談ください。
まとめ

空き家の解体は、元に戻せない決断です。ポイントを振り返ります。
- 解体費用は構造や延床面積に加え、残置物処分やアスベスト調査などの付帯費用で膨らみやすい
- 解体補助金は自治体ごとに有無・条件が異なり、交付決定前の着工は対象外になりやすい
- 更地にすると住宅用地の特例が外れ、固定資産税の負担が変わる
- 古家付き土地での売却や買取なら、解体費をかけずに手放せる可能性がある
彦根市では、2026年9月時点で個人向けの一般的な解体補助は見当たらず、城下町エリアの狭い路地や郊外の広い敷地など、立地によって解体費と土地価格のバランスも変わります。京都市内から彦根市の実家を見守る50代の方のように、見積もりの金額に迷ったときこそ、解体と売却・買取を同じ土俵で比べることが大切です。壊す前に比べるという一歩が、費用の負担を抑え、納得のいく手放し方につながります。
株式会社大鵬ハウジングは、彦根市の空き家についても解体を前提にせず、売却・買取・活用まで含めて最善の方法をご一緒に考えます。「まだ迷っている」段階でのご相談も歓迎しています。
この記事の監修者
株式会社大鵬ハウジング
代表取締役 久保 友宏
地方・田舎の空き家、相続不動産、訳あり不動産などの売却相談に対応。
年間約2,400件の相談実績を持ち、ファイナンシャルプランナーとして不動産売却後の資産整理についてもサポートしています。



