オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏
【伊丹市】誰も住まない空き家、放置の危険性を知ってますか|防犯対策も解説

誰も住まなくなった実家を、とりあえずそのままにしている——伊丹市でこうしたご相談をお受けすることは少なくありません。大阪や神戸への通勤圏にあり、駅から少し離れた住宅地でも「いずれ誰かが使うかもしれない」と判断を先に延ばしやすい土地柄だからです。ただ、空き家の放置が危険だと言われるのは、単に建物が古びるからではなく、空き巣や放火といった防犯上の問題と、瓦や塀の落下といった安全上の問題が、時間の経過とともに重なっていくからです。この記事では、株式会社大鵬ハウジングがこれまでお受けしてきた相談をふまえ、伊丹市の空き家に起きている危険の中身、所有者が問われる責任、今日から取れる防犯対策、そして手放すという選択肢までを順番に整理します。
誰も住まない空き家に起きる危険とは
空き家の危険は、いきなり大きな事故として現れるわけではありません。小さな異変が積み重なり、ある時点で近隣や通行人を巻き込む形になります。まずは何が起きるのかを具体的に押さえておきます。
空き巣・不法侵入・放火のリスク
侵入を狙う側から見ると、人が住んでいない家にはわかりやすい目印があります。
- 郵便物やチラシがポストからあふれている
- 夜間に一切明かりがつかない
- 雨戸やシャッターが長期間閉まったまま動いていない
- 庭の草木が伸び放題で、道路から敷地の中が見えにくい
こうしたサインが揃うと、金品を狙った空き巣だけでなく、不法侵入や不審者の出入り、無断使用につながるおそれがあります。最も避けたいのは放火です。周囲に燃えるものが置かれ、人目が届かない状態は、火をつけられる条件がそろっている状態でもあります。
侵入されると、被害は盗まれた物だけで終わりません。窓ガラスや鍵、玄関のドア枠が壊され、その修繕費が所有者にかかります。当社にも、一度ご相談いただいたあと数年悩まれている間に、空き巣被害と雨漏りが重なって危険家屋のような状態になってしまった方がいらっしゃいます。
倒壊・落下・越境による事故
伊丹市のような市街地では、隣家との距離が近く、通学路や生活道路に接している敷地が多くあります。落下物が人や車に当たる可能性は、決して大げさな想定ではありません。
- 瓦、スレート、外壁材、雨樋、テレビアンテナの落下
- ブロック塀や門柱の傾き、ひび割れ
- 庭木や生垣の越境、枯れ枝の落下
- カーポートやベランダの手すりの腐食
さらに、屋根や外壁からの雨漏りを放置すると、内部の柱や梁が湿気を含んで腐り、シロアリの被害も進みます。見た目は建っているのに、構造としての強さは落ちている——という状態は、空き家では珍しくありません。
| 段階 | 建物に現れやすいこと | 近隣・防犯面で現れやすいこと |
|---|---|---|
| 初期に現れやすい兆候 | 室内に湿気とにおいがこもる | 郵便物がたまり、留守が知られやすくなる |
| 管理不足が続くと起こり得ること | 庭木が伸び、雨樋に落ち葉が詰まる | 越境した枝葉について隣家から連絡が入る |
| 劣化が進んだ場合 | 雨漏りや内部の腐朽が進む | 不法投棄や侵入の痕跡が見つかる |
| さらに悪化した場合 | 屋根・外壁・塀の一部が破損・脱落する | 行政に通報が入り、調査の対象になる |
どのくらいの期間でどう傷むかは、建築年や構造、もともとの劣化の程度、立地や天候、管理の状況によって大きく変わります。ただ、管理の手が止まった状態が続けば、建物の劣化と近隣への影響が重なりやすくなることは共通しています。早い段階なら軽微な補修で済む場合でも、劣化が進むと大規模な修繕が必要になることがあります。
放置が招く所有者の責任
「誰も住んでいない家だから、自分の生活には関係ない」とはいきません。空き家は私有財産であり、管理する責任は所有者にあります。ここでは法律上の責任と、行政手続の両面を見ておきます。
工作物責任と損害賠償のリスク
民法717条は、土地の工作物の設置または保存に欠陥があり、それによって他人に損害が生じた場合の賠償責任を定めています。まず責任を負うのは占有者ですが、占有者が損害の発生を防ぐために必要な注意をしていたときは、所有者が責任を負います。建物や塀は、この「土地の工作物」に含まれます。
空き家の場合、実際に建物を使っている人がいないため、所有者がそのまま責任の当事者になりやすい構図です。「遠方に住んでいて知らなかった」という事情は、責任を免れる理由になりにくい点は押さえておきたいところです。塀が倒れて通行人がけがをした、飛んだ瓦が停車中の車を傷つけた、といったケースでは、修理費や治療費の請求が現実の問題になります。
加入している火災保険が空き家をどう扱っているかも、一度確認しておく価値があります。人が住まない建物は住宅物件ではなく一般物件として扱われることがあり、契約内容によっては補償の対象や保険料が変わります。
管理不全空家・特定空家に指定される流れ
2023年12月に施行された改正空家法で、「管理不全空家等」という区分が新設されました。倒壊のおそれなどが著しい「特定空家等」になる前の段階で、市町村が助言・指導を行える仕組みです。
大切なのは、この2つで市が取れる措置の範囲が違う点です。
- 管理不全空家等:指導が行われ、改善されない場合に勧告へ進みます。勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象から外れることになります。命令や行政代執行のような強い権限の行使は、この区分には規定されていません。
- 特定空家等:助言・指導から始まり、勧告、命令、行政代執行という措置があり得ます。代執行に至った場合は、かかった費用が所有者に請求されます。
固定資産税について「税金が跳ね上がる」と語られることがありますが、勧告によって外れるのは住宅用地特例であり、実際にどれだけ変わるかは評価額や負担調整措置、区域の区分によって異なります。また、税額に反映されるのは毎年1月1日時点の状態が基準になるため、勧告を受けた日とその年度の税額が動くタイミングは一致しません。いずれの区分でも、まず指導や助言という段階を踏むしくみです。連絡が来た時点で内容を確認し、対応できることから着手すれば、次の段階に進まずに収まる余地があります。放置のリスクは、対応を先に延ばすほど大きくなっていくものだと捉えておくのが実務的です。
危険を減らすためにできる防犯・安全対策
ここからは実務の話です。手放すかどうかを決める前でも、危険を下げる手立てはあります。
今日から始められる管理と防犯の実務
費用をかけずに効果が出やすいものから並べます。
- 郵便物は転送手続きをし、ポストの投函口をふさぐ
- 玄関と勝手口の施錠を確認し、掃き出し窓には補助錠を足す
- 敷地内に足場になる脚立や資材、燃えやすいものを置かない
- 庭木と生垣を道路から敷地内が見える高さまで刈り込む
- 電気は最低限だけ残し、門灯や外構にセンサーライトを設置する
- 水道は元栓を締め、訪問時に通水して排水管の乾きを防ぐ
- 隣家と自治会の役員に連絡先を渡し、異変があれば知らせてもらう
- 月1回程度訪れて、外観の写真を日付とともに残す
写真の記録は地味ですが、後から効いてきます。傷みの進み方が確認でき、行政や保険会社、買主とやり取りする際の材料にもなります。遠方にお住まいで訪問が難しい場合は、空き家管理サービスの利用や、地域の事業者に草刈りだけを頼む方法もあります。
管理を続けるか、思い切って手放すか
管理を続ける道を選ぶなら、費用が毎年発生し続ける前提で考える必要があります。固定資産税と都市計画税、火災保険料、庭木の剪定、通いの交通費、管理サービス代——これらは建物が使われていなくても止まりません。
解体して更地にする選択肢もありますが、費用の全額を補助でまかなえるわけではありません。伊丹市の住宅耐震化促進事業には除却工事費補助のメニューがあり、昭和56年5月31日以前に着工され、耐震診断で安全性が低いと診断された住宅の除却が対象です。戸建ての補助額は最大60万円で、令和8年度は二期募集の受付が2026年12月11日まで行われています。受付期間内でも予定数に達し次第終了する扱いのため、申請を考えるなら早めに市建築指導課へ電話で確認しておくのが前提になります。交付決定前に工事を契約すると補助の対象外となり、工事完了と実績報告にも2027年2月26日という期限があります。木造住宅の解体費は建物の規模や前面道路の幅で大きく変わり、補助には上限があるため、工事費が補助額を上回る部分は自己負担になります。解体は「危険をなくす方法」ではあっても「支出をなくす方法」ではないと理解しておくと、判断がぶれません。
住宅耐震化工事費補助|伊丹市 https://www.city.itami.lg.jp/SOSIKI/TOSHIKATSURYOKU/KENTIKUSIDO/JUTAKU_TAISINKA/1569552891805.html
手放すことが管理責任を終わらせる有力な選択肢になる理由
管理を続けても、危険がゼロになることはありません。所有している限り、責任も費用も残ります。売却して引渡しが終われば、その後の建物管理や将来の維持費を負い続ける必要は原則としてなくなります。ただし、固定資産税はその年の1月1日時点の所有者にその年度分が課税されるしくみで、年度途中の売買では未経過分を当事者間で精算するのが一般的です。引渡し後の管理責任は原則として買主へ移りますが、契約上の取り決めや売却前に生じていた事象については個別の確認が必要になります。
当社は大阪1店舗から全国に対応しており、地元の不動産会社では出会えない買主とつながることがあります。他社でマイナス査定になった物件をプラス査定で買い取った実績もあり、雨漏りや傷みがある建物、残置物が残ったままの状態でもご相談を承っています。各スタッフに1億円以内の決裁権があり、条件が整えば平日当日中の対応も可能です。ただし金額も日程も物件の状況によるため、必ず当日買取になるとお約束するものではありません。
売却後のことを心配される方も多くいらっしゃいます。売主様の契約不適合責任は、原則として免責としています(契約書に明記)。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は、事前にお伝えください。当社では売却後のトラブルは0件です。また、当社の買取では、相続登記や所有権移転登記などの登記費用を当社が負担します。一方で、契約書の印紙税や譲渡所得にかかる税金など、売主様側で生じる費用もあるため、費用が一切かからないわけではない点は正直にお伝えしています。
傷みが進んだ家であっても、土地としての条件が良ければ、思っていたより値が付く可能性もあります。買い手が見つからないと決めつけて放置するより、いったん数字を確かめてから考えるほうが選択肢は広がります。
不安を数える前に、対応する順番を決める
ここまで危険の話を並べてきましたが、すべてを同時に解決する必要はありません。危険には切迫度の差があり、順番をつけられます。
- 人にけがをさせうる部分——塀の傾き、瓦や外壁の浮き、越境した枯れ枝
- 権利関係——相続登記が済んでいるか、共有者に連絡が取れるか
- 出口の選択——売る、貸す、解体する、当面は管理を続ける
1つ目は応急措置で対応できる場合もありますが、工事内容や建物の状態によって費用は大きく変わります。それでも、人にけがをさせた場合の損害と比べれば、先に手を打つ意味は大きいといえます。2つ目は時間がかかるため、早く着手するほど有利になります。相続人の一人と連絡が取れないまま年月が過ぎ、さらに相続が発生して所在不明の相続人が出てしまい、売れなくなった例も実際にあります。3つ目は情報が揃ってから決めればよく、慌てて結論を出す必要はありません。不安の総量に押されて動けなくなるより、順番を決めて一つずつ片づけるほうが、結果として早く終わります。
伊丹市の空き家に起きている防犯・安全の実情
伊丹市は大阪・神戸の双方に通いやすい住宅都市で、市街地が広く広がっています。市内でも高齢化や世帯人員の減少が進んでおり、相続や施設入所などをきっかけに、これまで暮らしていた住宅が空き家になる可能性は誰にでもあります。「駅から離れているから売れないのでは」と考えて判断を先に延ばしやすい一方、市街地であるがゆえに、管理の手が抜けるとすぐ近隣の目に触れる——これが伊丹市で空き家を持つときの前提になります。
市は空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづき「伊丹市空家等対策計画」を策定し、現在は第2次計画(計画期間は令和3年度から令和10年度)にもとづいて対応しています。計画では、令和2年国勢調査をもとに、65歳以上人口が市全体の約4分の1を占めるとされており、少子高齢化の進行が空き家の増加要因として挙げられています。また、令和6年3月31日までの過去8年間の実績として、建物に関する通報が合計150件(うち解決126件)、草木に関する通報が合計277件(うち解決266件)、特定空家等の認定が合計20件(うち解決16件)と記載されています。
ここで目を引くのは、建物そのものだけでなく、草木の繁茂についても多くの通報が寄せられている点です。都市部では、建物が傾く前の段階で「枝が越境している」「草が茂って虫が出る」という形で連絡が入ります。庭木や雑草の管理も、近隣トラブルを防ぐうえで重要なポイントといえます。
相談内容によって市の担当課が分かれているのも、押さえておくと役に立ちます。
| 相談・通報の内容 | 担当 |
|---|---|
| 空き家全般の総合窓口 | 生活環境課 |
| 空家等対策計画および措置に関すること | 建築指導課 |
| 雑草の繁茂等に関すること | 環境クリーンセンター業務課 |
| 固定資産税に関すること | 資産税課 |
近隣から市に連絡が入れば、こうした窓口を通じて所有者に話が届きます。何も言われていないから問題がない、という状態と、まだ連絡が来ていないだけ、という状態は違います。
伊丹市空家等対策計画(第2次)改定版 概要版|伊丹市 https://www.city.itami.lg.jp/material/files/group/41/gaiyou.pdf
伊丹市で放置している空き家を相談するには
相談の前に手元に揃えておくと話が早く進むものがあります。
- 固定資産税の課税明細書
- 登記事項証明書、または権利証
- 相続人の関係がわかるもの(把握している範囲で構いません)
- 建物の外観と室内の写真、直近で訪れた日付
そろっていなくても差し支えありません。当社は弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・税理士・FP2級・残置物処分業者と提携しており、当社が窓口となり、登記申請や法律相談などの専門業務はそれぞれの資格者が担当します。相続登記が終わっていない、片付けが手つかず、共有者との話がまとまっていない——どの段階でも、そこから進める方法を一緒に考えます。
進め方は、現況の調査から始まります。全スタッフが工務店または大手不動産会社での実務経験10年以上。訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応します。近隣の状況や道路付け、商業施設や学校までの距離まで調べたうえで査定書をお出しするため、なぜその金額なのかを納得したうえで判断していただけます。査定は無料で、交通費や出張費を請求することもありません。当社は年間約2,400件のご相談、300〜400件の成約に携わっています。
市の窓口と並行して使っていただくのも一つの方法です。制度や近隣対応については生活環境課や建築指導課、売却や活用の選択肢については民間、という切り分けをすると、判断に必要な材料が短期間で揃います。手放すと決める前の段階で、今どういう状態にあるかを確かめておくだけでも、危険の見通しはずいぶん変わります。
伊丹市の空き家買取・対応エリア
荒牧、荻野、鴻池、瑞穂町、瑞ケ丘、昆陽、昆陽池、寺本、中野北、中野西、中野東、西野、松ケ丘、緑ケ丘、桜ケ丘、南野、野間、山田、千僧、北伊丹
※上記に記載のない町名でも、伊丹市内であればすべて対応可能です。お気軽にご相談ください。
まとめ

誰も住まない空き家の危険は、空き巣や放火といった防犯面と、瓦や塀の落下といった安全面の両方から、空き家である期間に応じて積み上がっていきます。民法717条の工作物責任があるため、遠方に住んでいても所有者としての責任は残ります。まずは施錠と郵便物、庭木という基本の三点から手をつけ、並行して相続登記などの権利関係を整え、そのうえで売る・貸す・解体する・管理を続けるのどれを選ぶかを決める——この順番であれば、限られた時間でも着実に前に進みます。伊丹市では建物だけでなく草木の繁茂についても多くの通報が寄せられており、庭木や雑草の管理が近隣トラブルを防ぐうえで大きな意味を持つことも、頭に入れておきたいところです。株式会社大鵬ハウジングは、傷みのある建物や残置物が残った状態でもご相談を承り、伊丹市の空き家について現況調査から出口までを一貫してお手伝いします。放置している空き家が気にかかっているなら、危険が形になる前に、今の状態を確かめるところから始めてみてください。



