オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏
【呉市】雨漏りした空き家でも売れるって知ってた?|傷む前の対策

天井にシミが広がり、雨の日には屋根裏で水の音がする——そんな実家を前に「ここまで傷んだ家に値段は付かない」と手を止めてしまう方は少なくありません。ただ、雨漏りがある家がそこで行き止まりになるわけではなく、現状のまま買い取れるケースもあります。同時に、傷みが進むほど条件が細くなっていくのも事実です。この記事では、株式会社大鵬ハウジングが全国で受けてきたご相談をもとに、老朽化した空き家の売却をどう判断すればよいのか、そして「傷む前」に何ができるのかを順番に整理します。
雨漏りを放置した空き家で起きていること
雨漏りは「屋根の問題」で終わりません。水が入った家の中では、目に見えない場所で次の劣化が同時に進みます。令和5年住宅・土地統計調査によると、呉市の空き家は30,350戸、空き家率は24.7%です。そのなかには、雨漏りを抱えたまま何年も動かせずにいる住宅も含まれます。
雨漏り・シロアリ・構造の劣化はひとつながり
屋根や外壁から入った水は、下の順序で建物の芯に届きます。
- 天井裏の断熱材が湿気を含み、天井板にシミ・たわみが出る
- 柱や梁、土台が湿った状態で保たれ、木材が腐りはじめる
- 湿った木材にシロアリが寄り、内部から食い進む
- 支える力が落ち、床の傾き・建具の開閉不良として表に出る
厄介なのは、雨漏りが建物の評価を下げる原因ではなく、下げる原因を呼び込む入口になっている点です。シミの範囲が小さいうちに手を打てたか、腐朽とシロアリまで進んでいたかで、その後の話は大きく変わります。
人が住まない家ほど傷みが早い理由
人が住んでいる家では、雨漏りのような異変に比較的早く気づきやすい一方、空き家では次の訪問まで発見が遅れることがあります。そのあいだ窓は閉め切られ、換気もされないため湿気が抜けません。台風のあとに屋根材がずれていた場合も、確認できるのは次に見回ったときになります。
つまり空き家の劣化は、建物が古いから進むというより、発見が遅れることで進みます。雨漏りが疑われる場合や台風・大雨のあとなどは、定期的な見回りだけでは発見が遅れることもあるため、気になる時期に一度足を運ぶ判断が効いてきます。
令和5年住宅・土地統計調査結果|呉市 https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/7/r5jyuutaku.html
傷んだ空き家でも手放せる理由
「雨漏りしている」と伝えた時点で断られた経験があると、どこに相談しても同じ結果だと思いがちです。ただ、評価の仕方は会社によって違います。
現状のまま買い取れる
当社の買取では、修繕や片付けを済ませてから、という前提を置きません。雨漏りやシロアリの痕がある状態のまま買い取る取引を重ねてきました。大阪1店舗から全国に対応しており、地元の不動産会社では出会えない買主とつながることがあります。他社でマイナス査定になった物件をプラス査定で買い取った実績もあります。
また、各スタッフに1億円以内の決裁権があり、条件が整えば平日当日中の対応も可能です。ただし金額も日程も物件の状況によるため、必ず当日買取になるとお約束するものではありません。
リフォームを前提に見るから評価が変わる
一般の居住用住宅として仲介する場合、建物の状態は購入判断に大きく影響します。一方、買取では不動産会社が修繕や再販を前提に評価するため、雨漏りがある状態でも検討の対象になることがあります。当社はリフォームを自社施工しているため、雨漏り箇所の補修にいくらかかるかを見積もりの精度で把握できます。費用が読めれば、そのぶんを織り込んだ金額を提示できます。「実家を壊したくない」というご希望から、買取後に数百万円かけてリフォームし再販した例もありました。
そして評価が読めるのは、傷みが把握できる範囲にあるうちです。だからこそ、傷む前に手放すという選択が実際にいちばん条件を守りやすくなります。
傷む前に動くほど条件がよくなる理由
急ぐ必要はありませんが、待つあいだに何が動くのかは知っておいて損がありません。
劣化が進むと修繕・解体費が増えることがある
雨漏りの範囲が広がると、補修は屋根だけで済まなくなります。腐朽した柱や土台の交換、シロアリ被害部分の入れ替えが加わります。解体する場合も、内部が崩れた家は手作業の割合が増え、廃材も増えます。
| 状態の段階 | 建物の様子 | その時点で取りやすい選択 |
|---|---|---|
| 初期 | 天井に部分的なシミ、屋根材のずれ | 現状のまま買取/古家付き土地/リフォーム再生 |
| 中期 | 天井のたわみ、床の沈み、カビ・臭気 | 現状のまま買取/古家付き土地(条件は下がる) |
| 後期 | 柱や土台の腐朽、シロアリ被害、屋根の抜け | 現状買取・古家付き土地・解体後売却を個別に比較 |
| 末期 | 傾き・部分崩落、近隣への危険 | 安全確保を優先しつつ現状買取と解体後売却を比較。状態により行政対応が必要 |
選択肢は突然消えるのではなく、段階を追って一つずつ減ります。
倒壊・落下と賠償のリスク
建物の管理状態が原因で屋根材や外壁が落下し、通行人や隣家の車に損害を与えた場合、民法上、占有者や所有者が損害賠償責任を負うことがあります。管理が行き届かない状態が続けば、管理不全空家等・特定空家等として市から指導や勧告を受ける場合があり、勧告に至ると土地の固定資産税の軽減措置が外れることもあります。
当社にも、一度ご相談いただいたあと数年迷われるうちに、空き巣と雨漏りが重なって危険家屋の状態になった例があります。100万円で買主が付いていた物件を「120万円でなければ」と持ち続け、1か月後の地震で倒壊してしまい、逆に費用がかかる状態になった例もありました。急かすつもりはありませんが、迷っている時間そのものが条件を動かしていきます。
空き家について|呉市 https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/46/akiyanituite.html
雨漏りした空き家を手放す3つの道
傷んだ家の出口は一つではありません。順番としては、費用が先に出る方法と、出ない方法を分けて考えると整理しやすくなります。
買取・古家付き土地・解体後売却の違い
| 方法 | 修繕・解体の先行費用 | 現金化までの目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 現状のまま買取 | 原則不要 | 数日〜数週間 | 雨漏り・残置物がある、手間をかけられない |
| 古家付き土地として売る | 原則不要(現況渡しの場合) | 数か月 | 立地に需要があり、建物を活かす買主が想定できる |
| 解体してから売る | 解体費(補助金の対象になる場合あり) | 解体+売却期間 | 建物が末期、更地のほうが買主が付きやすい |
迷ったときの選び方
判断の入口はシンプルで、修繕や解体の費用を先に出せるかどうかです。解体費を立て替える余力があり、更地にしたほうが引き合いが増える土地なら、解体後の売却が向きます。反対に、費用も手間も避けたいなら現状買取から検討する流れになります。
もう一つの目安が、時間の許容度です。買取は日程を自分側で組み立てやすく、仲介は買主が現れるまで待つことになります。固定資産税の支払いが毎年続く状況や、遠方から見回りに通っている状況では、期間の読めるほうが負担は軽くなります。
大切なのは、順番を逆にしないことです。解体してしまえば元には戻せません。壊す前に「そのままでいくらになるのか」を一度確かめてから決めても、遅くはありません。
「もう手遅れかも」と思っている方へ
写真では判断できない部分がある
床が抜けている、屋根が落ちている、庭が藪になっている。そうした状態を思い出すと、相談すること自体が気後れするものです。それでも、現地を見ないまま結論は出ません。写真だけでは柱や土台、床下などの状態まで判断できないため、外観の印象で売却の可否を決めることはできません。
判断が分かれるのは、内装の汚れや天井のシミといった表面の傷みと、柱や土台の状態は別に評価される点です。壁紙が剥がれていても土台が健全なら補修費は限られますし、逆に見た目が整っていても床下が腐っていれば話は変わります。傷みの範囲を見立てるため、必要に応じて小屋裏や床下も確認します。
傷みを伝えたうえで売れるのか
売却後に不具合を指摘されるのが不安、という声もよくいただきます。当社の買取では、売主様の契約不適合責任は原則として免責としています(契約書に明記)。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は、事前にお伝えください。隠さずお話しいただければ、そのうえで金額を組み立てます。契約書に明記したうえで進めており、売却後のトラブルは0件です。
呉市の空き家に多い「坂の上の家」という事情
呉市の住宅地は、旧海軍関係者や工員の住まいを確保するために山の斜面が宅地化されてきました。両城地区の階段住宅のように、石垣で段を組んだ独特の住宅群が残っています。中央や和庄のような市街地と、斜面地・郊外・島しょ部では、空き家をめぐる状況がはっきり分かれます。
坂の上の家に特徴的なのが、車が入らない敷地です。前面が階段や幅の狭い路地だと、解体機械を入れられず、資材や廃材を人の手で運ぶ工程が増えます。同じ広さの家でも、平地より解体費が上がりやすい理由がここにあります。呉市の令和8年度「危険建物除却促進事業」では、所定の建物要件を満たして危険建物の認定を受けた場合、交付対象経費の30%と、国が定める標準建設費等から算出した除却工事費に10分の8を乗じた額のいずれか低い額(上限30万円)が助成されます。道路から敷地までの道の最小幅員が1.8メートル未満、または道と敷地の接する長さが1.8メートル未満の敷地では、上限が50万円となります。崖上の敷地では、解体後に崩壊防止の措置も必要です。令和8年度は危険建物認定申請が9月30日まで、補助金交付申請が10月30日までと年度内に締切があり、予算額に達すれば期限前でも受付が終了します。交付決定までの審査期間は3週間程度とされているため、余裕をもったスケジュールが必要です。
制度を使う場合は段取りにも注意が必要です。危険建物の認定から交付申請までは30日以内で、交付決定前に工事に着手すると補助を受けられません。解体を選ぶなら、見積依頼と相続関係の調整を先に済ませ、適用条件の詳細は申請前に市へ確認しておくと安心です。斜面地の実家は「売れない家」ではなく、条件の読み方に手間がかかる家だと考えるほうが実情に近いといえます。
【令和8年度】危険な空き家の除却に助成(危険建物除却促進事業)|呉市 https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/46/index1.html
呉市で老朽化した空き家を相談するには
相談から引き渡しまでの流れ
流れは複雑ではありません。現地調査、査定、条件のご提示、ご納得いただけた場合に契約・決済という順序です。査定は無料で、交通費や出張費を請求することもありません。
- 現地調査:屋根・外壁の状態を確認し、必要に応じて小屋裏や床下も見て傷みの範囲を把握する
- 査定:周辺の取引状況や生活利便施設までの距離まで調べたうえで金額を算出する
- 条件のご提示:買取・古家付き土地・解体後売却のうち、どの形が合うかを比較して示す
手続きが止まっているときの進め方
雨漏りのある空き家では、傷み以外の事情が重なっていることも多いものです。父母の名義のままになっている、兄弟で話がまとまっていない、家財がそのまま残っている——こうした状態でも、相談の入口に立つ条件としては問題ありません。片付けや登記を先に終わらせる必要はなく、並行して進められます。
全スタッフが工務店または大手不動産会社での実務経験10年以上。訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応します。年間約2,400件のご相談、300〜400件の成約に携わっています。相続登記が済んでいない場合も、弁護士・司法書士・税理士などの専門家と提携しており、当社が窓口となり、登記申請や法律相談などの専門業務はそれぞれの資格者が担当します。当社の買取では、相続登記や所有権移転登記などの登記費用を当社が負担します。ただし印紙税や譲渡所得にかかる税金など、売主様側で生じる費用もあるため、そこは事前にご説明します。
遠方にお住まいで現地に行きにくい場合も、当社が確認して結果をお伝えする形で進められます。遠方にお住まいのご家族からのご相談も珍しくありません。
呉市の空き家買取・対応エリア
中央、和庄、本通、宮原、警固屋、両城、吉浦本町、天応大浜、昭和町、焼山中央、苗代町、阿賀中央、広本町、広古新開、仁方本町、郷原町、川尻町西、安浦町中央、音戸町坪井
※上記に記載のない町名でも、呉市内であればすべて対応可能です。お気軽にご相談ください。
まとめ

雨漏りした空き家は、それだけで価値がなくなるわけではありません。現状のまま買い取れる場合もあり、リフォームを前提に評価すれば別の見方も生まれます。一方で、水が入り続けた家は腐朽やシロアリへ進み、選べる出口が段階的に減っていきます。呉市のように斜面地の住宅が多い地域では、解体費や搬出の条件が重くなりやすく、動く時期の差がそのまま結果の差になりやすい面もあります。
いま何もしないという判断も、状況を把握したうえでなら立派な選択です。株式会社大鵬ハウジングは呉市の空き家について、現状のままでどう扱えるかを含めてご一緒に整理します。傷みがどこまで進んでいるのかを知ることが、その最初の一歩になります。



