オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏
【三次市】県外在住でも進められる空き家売却のコツ

広島市や関西で暮らしながら、三次の実家を空き家のまま抱えている。JR芸備線で三次駅から広島駅までは快速でも約85分、車でも高速道路を乗り継ぐ距離です。市外に出たまま親世代の家を継ぎ、年に数回の帰省でどうにか様子を見ている——そんな方は少なくありません。空き家の遠方管理は、離れて暮らす相続人にとって最も重い負担のひとつです。ただ、売却の手続きには電話・郵送・オンラインで進められる工程も多く、現地へ足を運ぶ回数を抑えられる場合があります。契約や決済、本人確認など個別に確認が必要な場面はありますが、最初から何度も三次市へ通う必要があるとは限りません。全国対応で空き家の買取・売却を手がける株式会社大鵬ハウジングが、三次市の空き家を県外から手放すための具体的なコツを整理しました。帰省のたびに気が重くなる、その状況を変える手がかりにしてください。
三次の実家に、帰るたびに増える宿題
たとえば広島市内で働く50代の方が、市街地から離れた旧町村エリアの実家を相続したとします。畑と物置が付き、いちばん近い親戚も車で30分。この状態を放っておくと、建物の傷みと行政上のリスクが同時に進行します。人の出入りがなくなれば換気が止まり、床下や壁の内部に湿気がこもるためです。以降、この方を例に話を進めます。
誰も住んでいない家に起きること
管理が行き届かない家では、次のような変化が起こります。
- 雨漏りが天井裏で進行し、気づいたときには柱や梁まで傷んでいる
- 庭木や雑草が伸び、隣地や道路へはみ出して苦情につながる
- 郵便物がたまり、留守と分かることで空き巣に狙われる
- 屋根材や外壁材が落下し、通行人や隣家に被害を与える
当社が受けた相談にも、一度ご連絡いただいた後に数年迷ううち、空き巣被害と雨漏りが重なって危険家屋と言える状態まで傷んだ例があります。年に一度の帰省では、変化に気づくのが遅れます。
「管理不全空家等」と行政からの指導
2023年12月に施行された改正空家等対策特別措置法により、放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家は「管理不全空家等」として、市区町村長が指導・勧告できるようになりました。押さえておきたいのが固定資産税との関係です。住宅が建つ土地には課税標準を軽減する住宅用地特例が適用されますが、勧告を受けた管理不全空家等の敷地はこの特例が解除され、土地の固定資産税が現在の水準を大きく上回る可能性があります。
もっとも、これは指導や勧告の段階を踏んだ先の話で、ある日突然課税が跳ね上がるわけではありません。大切なのは、指導を受ける前の段階で手を打てるかどうかです。遠方に住む方ほど、行政の通知が届いて初めて事態の深刻さを知り、その時点では選択肢が狭まっています。早めに動く意味は、この一点に尽きます。
三次市には、危険な空き家の解体費を補助する「老朽危険建物除却促進事業補助金」があり、認定を受けた建物は工事費の3分の1以内・最大50万円が助成されます。ただし解体すれば住宅用地特例は外れ、更地の固定資産税が上がる点は補助を使う場合も同じです。「壊す」か「活かして手放す」かは、この税の動きも含めて比べたほうが判断を誤りません。
空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
県外から通って管理し続ける負担
遠方の空き家管理には、金銭以外のコストがのしかかります。「とりあえず持ち続ける」判断のまま数年が経つと、負担が積み上がります。
交通費・時間・体力という見えないコスト
三次市は広島県の中北部にあり、広島市方面や高速道路からのアクセスは確保されています。それでも関西や関東から通うとなれば話は別で、一度の帰省で必要になるものを並べると次のとおりです。
- 新幹線や高速道路を使った往復の交通費
- 現地での宿泊費やレンタカー代
- 草刈り・換気・通水にかかる半日から一日の作業
- 仕事や家庭の予定を調整する手間
年に数回の帰省でも、交通費だけで相当額になります。しかもこの負担は所有し続ける限り毎年繰り返され、年齢とともに重くなっていく性質のものです。50代で始めた草刈りを、70代でも同じようにできるとは限りません。維持が選択ではなく惰性になっていないか、一度立ち止まる価値があります。
管理代行という選択肢と、その限界
現地の管理を業者やシルバー人材センターに委託する方法もあります。定期的な換気や通水、庭の手入れを任せられるのは利点です。ただし管理代行はあくまで現状を維持するためのサービスで、費用は毎年発生し続けます。建物の老朽化が止まるわけでも、支払った費用が資産として戻るわけでもありません。
将来住む予定や、親族の誰かが使う見込みがあるなら、管理代行は理にかなった選択です。逆に、そうした予定がないまま管理費を払い続けるなら、その支出が何を守るためのものか答えが出せないとき、売却という選択肢が視野に入ります。
県外在住でも空き家売却を進める3つのコツ
ここが本題です。空き家の売却には現地に行かずに進められる工程が思いのほか多くあります。押さえておくべきコツを3つに絞ります。
現地に行かずに進む工程を知っておく
売却の流れを分解すると、所有者本人が現地に立ち会う場面は限られています。
| 工程 | 所有者の立ち会い |
|---|---|
| 現地調査・査定 | 不要(鍵の受け渡し方法を相談) |
| 査定内容の説明 | 電話・郵送・オンラインで対応可 |
| 売買契約 | 郵送での持ち回り契約に対応可能な場合あり |
| 決済・引き渡し | 司法書士の本人確認が必要(方法は要相談) |
ただし、郵送やオンラインで進められる範囲は、名義人の人数、相続登記の状況、本人確認の方法、金融機関や司法書士の確認方針によって変わります。遠方対応の可否は、最初の相談時に確認しておくと安心です。
名義と書類を先に整えておく
売却を早く進めたい方が最初に確認すべきは、登記名義が誰になっているかです。親名義や祖父母名義のままでは、最終的な売買・所有権移転の前に相続登記が必要になります。ただし、査定や相談、必要書類の確認は、名義が未整理の段階からでも進められます。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。相続で不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。施行日より前の相続も対象で、2027年3月31日までの申請が求められます。なお、簡易な相続人申告登記は申請義務を果たしたとみなされますが、これだけでは名義が移らず、売却の前提としては不十分です。
相続登記が済んでいないから売れないと思い込み、相談を先送りする方は少なくありません。当社は司法書士・弁護士・税理士などの専門家と連携し、必要な手続きの窓口を一本化してご案内します。当社が直接買い取る場合は、契約条件に応じて、相続登記や所有権移転登記などの費用を当社側で負担できるケースもあります。必要な手続きは名義や相続人の状況で変わるため、まずは現在の登記状況を確認するところから始めます。
相続登記の申請義務化について|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
「窓口が一本かどうか」で業者を選ぶ
遠方対応で最も消耗するのは、複数の相手とやり取りすることです。不動産会社、司法書士、処分業者、解体業者と個別に電話し、書類を送る作業を県外から行うのは現実的ではありません。相談から決済まで窓口が一本にまとまっているかを、業者選びの基準にしてください。
窓口が一人だから、電話一本で話が前に進む
当社のスタッフは全員、工務店または大手不動産会社での実務経験を10年以上積んでいます。建物の傷み具合から修繕費を見積もることができ、権利関係の整理にも慣れています。訪問調査・査定・契約・決済までを同じ担当者が受け持つため、引き継ぎのたびに情報が抜け落ちる問題が起きにくく、取引の前後を通じて同じ相手と話せることは、遠方の売主様ほど負担の差になります。
残置物も同じです。家財が片付いていないから売れないと考えて動けずにいる方がいますが、片付いていない状態でも査定や相談は進められます。当社の買取では、残置物がある前提で確認し、片付けの手間も含めてご提案できる場合があります。処分する物の量や種類で条件が変わることもあるため、事前に確認しながら進めます。
「自分で行かなければ」を減らす仕組み
遠方の売主様から「聞けてよかった」と言われることのひとつが、お迎え対応です。契約や決済で現地に出向く必要が生じたときは、最寄り駅までお迎えに上がります。車がない、高齢で移動が不安といった事情で相談をためらう方が多いためです。
売却後の不安についても触れておきます。当社が直接買い取る場合、売主様の契約不適合責任を原則として免責とする特約を設けています。売却後に建物の不具合が見つかっても、売主様が責任を追及される事態を避けるための取り決めです。ただし、売主様が把握している不具合を告げずにいた場合など、法律上は免責されないケースもあります。すでに分かっている雨漏りや設備の故障、境界の越境などは、契約前に担当者へ事前にお伝えください。
書類や名義、本人確認の条件が整っている物件であれば、平日中に買取価格の提示や契約準備まで進められる場合があります。各スタッフに2,000万円以内の決裁権があり、本部の承認を待つ時間が発生しないためです。ただし決裁権があるからといって必ず当日その額で買い取れるわけではなく、実際に資金化できる時期は、権利関係や必要書類、司法書士の確認、金融機関の手続き状況によって変わります。
三次市の空き家を県外から手放すときのポイント
三次市は、2004年に旧三次市を含む8市町村が合併して新・三次市となった、面積778.18平方キロメートルの広い市域を持つまちです。人口は2020年の国勢調査で50,681人でしたが、その後も減少が続いています。稲作やアスパラガス・ピオーネといった農業と製造業が支えてきた土地柄で、先ほどの例のように畑や物置、山林が付いた実家が空き家として残るのは珍しくありません。こうした付帯地があると、地元だけで買い手を探すと候補が限られることもあります。
三次市には市が運営する空き家情報バンクがあり、移住希望者へ物件を紹介する仕組みがあります。ただし市が行うのは物件の紹介と見学の立ち会いまでで、交渉や契約の仲介行為は行っていません。契約については専門家への相談が推奨されています。
当社が三次市のような中山間地の空き家で強みを発揮できるのは、買主を全国から探せるからです。地元の不動産会社は地元の顧客に紹介するのが基本ですが、当社は大阪を拠点に全国のお客様と接点を持っています。地場業者に「値段が付かない」と言われた物件を買い取り、リノベーションのうえ活用した実績もあり、他社でマイナス査定となった物件がプラス査定になった例も珍しくありません。すべての物件が高く売れると約束はできませんが、一社の評価だけで諦める必要はないとは言えます。
付帯する土地があるために話が複雑になり、対応してもらえなかったという相談も数多く受けてきました。農地を農地として売買する場合だけでなく、宅地化や別用途への転用を伴う場合も、農地法上の手続きが必要になることがあります。具体的な進め方は状況を伺いながらご案内します。
三次市空き家情報バンク制度について|三次市 https://www.city.miyoshi.hiroshima.jp/soshiki/8/1307.html
三次市で空き家の相談を進めるには
最初に必要なのは完璧な準備ではありません。手元にある情報だけで構いませんが、次の点を整理しておくと話が早く進みます。
- 物件の所在地(登記簿や固定資産税の納税通知書に記載)
- 現在の登記名義人と、相続が発生しているか
- 最後に人が住んでいたおよその時期
- 残置物の有無、雨漏りや傷みの心配な箇所
- 農地・山林・車庫などが付いているか
これらが分からなくても相談はできます。相続関係で判断が難しい点は、その場で提携する法律家に確認することもあります。
三次市では「第2期三次市空家等対策計画」を策定し、建設部都市建築課の建築指導係が空き家の窓口を担っています。行政としての管理・活用の相談先はここですが、市は売買の仲介そのものは行いません。制度の相談と売却の実務は、分けて考えておくとつまずきません。
悩んでいる間に次の相続が発生し、所在の分からない相続人が現れて売却できなくなる。そんな例も当社は見てきました。時間は空き家所有者の味方ではありません。売る・売らないを決める前でも、現状を把握する意味はあります。
まとめ

県外に住みながら三次市の空き家を抱えている方に、要点をまとめます。
- 管理できない空き家は、建物の傷みと行政指導のリスクが同時に進む
- 管理代行は現状維持の費用で、老朽化そのものは止まらない
- 売却手続きには現地へ行かずに進められる工程が多い
- 名義と書類の状況を先に確認しておくと話が早い
- 残置物があっても、相続登記が未了でも相談は進められる
三次市のように広い市域を持ち、人口減少が続く地域では、地元だけで買い手を見つけるのが難しい物件もあります。だからこそ、全国から買主を探せる会社に相談する意味があります。株式会社大鵬ハウジングは大阪を拠点に全国へ出向き、他社で断られた物件や訳ありとされた物件を買い取ってきました。訪問調査から決済まで同じ担当者が対応し、遠方の方にはお迎えの相談にも応じています。
冒頭の、畑と物置の付いた実家を広島市内から見ている方のような状況は、三次では特別ではありません。実家をどうするか、答えが出ないまま年月が過ぎていく。ただ、家は待ってくれないのも事実です。まずは今の状態を正確に知ることから始めてみてください。県外にいながらでも、動かせることは思いのほか多くあります。



