オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏
【蒲生郡】相続放棄と売却、どちらが得か比べてみる|安易な放棄に注意

実家を相続したものの、住む予定もなく管理も難しい——そんなとき「いっそ相続放棄してしまおうか」と考える方は少なくありません。ただ、相続放棄は一見すると身軽になれる方法に見えて、実は万能な手段ではありません。放棄すれば預貯金などプラスの財産も一緒に手放すことになり、価値のある家まで無償で失ってしまう場合もあります。この記事では、株式会社大鵬ハウジングが、蒲生郡(日野町・竜王町)で空き家の相続に悩む方に向けて、相続放棄と売却それぞれの損得を整理しながら、安易な放棄で後悔しないための判断材料をお伝えします。
空き家を相続放棄するとどうなるのか
「使い道のない空き家を相続放棄したい」という相談は年々増えています。まずは相続放棄がどういう手続きなのか、基本から確認していきます。
相続放棄の基本を押さえる
相続放棄とは、亡くなった方(被相続人)の財産について、預貯金や不動産などのプラスの財産も、借金などのマイナスの財産も、いっさい引き継がないと決める手続きです。相続放棄をすると、その人ははじめから相続人ではなかったものとして扱われます。
手続きには期限と場所が決まっています。放棄をするには、相続が始まったことを知った時から原則3か月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申述します。この3か月は「熟慮期間」と呼ばれ、財産を引き継ぐかどうかを見極めるための時間として設けられています。期間内の判断が難しいときは、家庭裁判所へ申し立てることで、この期間を伸ばせる場合もあります。
相続の放棄の申述|裁判所 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
「家だけ放棄」はできない
ここで見落としがちなのが、相続放棄は財産を選べないという点です。「借金は引き継ぎたくないが、思い出の詰まった実家だけは残したい」と考えても、放棄すればすべてが対象になります。逆に「要らない空き家だけ放棄したい」という希望もかないません。
つまり、家の処分だけを目的に放棄を選ぶと、本来受け取れたはずの預貯金や他の不動産まで手放すことになりかねません。空き家に一定の価値がある場合、放棄はかえって損につながることもあります。まずは財産の全体像を把握したうえで、放棄が本当に得なのかを冷静に見極める。それが最初の分かれ道です。
相続放棄には3か月という短い期限があるうえ、財産を部分的に選べません。空き家を手放したい一心で急いで放棄すると、価値ある財産まで失う可能性がある点を、まず頭に入れておいてください。
相続放棄しても残ることがある「保存義務」
相続放棄をすれば、その家に関する責任からすべて解放される——そう思われがちですが、実際にはそうとは限りません。放棄後も、一定の条件のもとで家を管理する義務が残る場合があります。
「現に占有」する人が負う保存義務
このルールは、2023年4月に施行された民法改正ではっきりしました。改正後の民法940条では、相続放棄をした人が家の保存義務を負うのは、放棄した時点でその財産を「現に占有している」場合に限られます。保存義務とは、財産を積極的に活用する義務ではなく、滅失や損傷を防ぐ最低限の管理を指します。
「現に占有している」とは、事実上その家を支配・管理している状態です。たとえば、次のようなケースが当てはまる可能性があります。
- 被相続人と同居していて、放棄後もその家に住み続けている
- 空き家の鍵を持ち、時折様子を見に通っていた
- 家の中に自分の家財や荷物を置いたままにしている
この義務は、次に管理する相続人や相続財産清算人へ家を引き渡すまで続きます。
遠方で関わっていなければ原則負わない
改正前は、関与の薄い人にまで管理義務が及ぶおそれがありました。改正後は対象が「現に占有している人」に絞られたため、遠くに住んでいて実家の管理に一切関わっていなかった相続人は、放棄すれば原則として保存義務を負いません。これは、放棄を検討する人にとって大きな変化といえます。
ただし、占有に当たるかどうかの線引きは、個別の事情によって判断が分かれます。鍵を預かっていた、荷物を残していたといった事情があると占有と見なされることもあるため、自己判断は禁物です。
相続放棄をしても、その家に「現に占有」する関わりがあれば保存義務は残り、その線引きはあいまいです。ここで特に注意したいのは、相続放棄を検討している段階で、自己判断のまま家を売却・処分してしまうと、相続を承認したとみなされ、放棄できなくなるおそれがあるという点です。売却を選ぶなら相続を承認したうえで登記などの手続きに進む流れになるため、放棄と売却で迷うときは、動く前にまず専門家へ確認しておくと安心です。
相続放棄者の空き家の管理責任の考え方について|国土交通省・総務省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001711895.pdf
安易な相続放棄に潜む落とし穴
相続放棄は、負債の方が大きい場合には有効な手段です。とはいえ「面倒だから」「田舎の家だから売れないだろう」といった思い込みで選ぶと、思わぬ負担を招くことがあります。
放棄した負担は他の相続人へ回る
自分が放棄しても、それで家が消えてなくなるわけではありません。相続の権利は、放棄によって次の人へと引き継がれていきます。同順位の相続人がいればその人の相続分が増え、同順位の相続人が全員放棄すると、権利は次順位の相続人へ移ります。たとえば子が全員放棄すれば親へ、親もいなければ兄弟姉妹へ、といった具合です。疎遠だった親族が突然「負の財産」を抱え込むこともあり、親族間の不和や、誰も引き受けずに家が宙に浮く事態を招きかねません。放棄は、自分だけの問題では終わらないのです。
放棄後も残る手続きと清算の手間
相続人全員が放棄して引き継ぐ人がいなくなった場合、利害関係人などからの申立てにより、家庭裁判所が相続財産清算人を選任することがあります。事案によっては、清算人の報酬を含む管理費用に不足が見込まれるとして、申立人に相当額の予納金が求められることもあります。「放棄すればすべて終わる」というイメージとは裏腹に、後始末に手間や費用がかかる場合があります。
相続放棄は、放棄した人の手を離れても家の問題そのものは残り、他の親族や清算の手続きへと形を変えて続いていきます。安易に選ぶ前に、その家を売却して次の持ち主へ引き継ぐ道がないかを検討する価値は十分にあります。
放棄する前に検討したい「売却・買取」
「売れないと思っていた家が、実は買い手のつく財産だった」——こうした例は、決して珍しくありません。放棄を決める前に、まず売却できる家かどうかを確かめておくことをおすすめします。
売れる家なら手放して現金化できる
古い、田舎にある、傷んでいる。そうした理由で「価値がない」と決めつけてしまう方は多いものです。ただ、家の値打ちは立地や状態だけで決まるわけではなく、思いがけず関心を持つ人が現れる場合もあります。
たとえば、次のような家でも売却につながることがあります。
- 築年数が古く、雨漏りや傷みがある家
- 家財や荷物が残ったままの家
- 他社で断られた、あるいはマイナス査定とされた家
株式会社大鵬ハウジングは全国対応で買主を探す体制をとっており、他社でマイナス査定とされた物件をプラス査定で買い取ってきた実績があります。各担当者が2,000万円以内の決裁権を持つため、条件が整えば、平日はその日のうちに買取のお返事ができることもあります。相続放棄の3か月という期限を思えば、判断の早い相手に相談できる意味は小さくありません。
売却できれば、放棄では得られない売却代金が手元に残り、家の管理からも解放されます。古い家では「売ったあとで雨漏りやシロアリが見つかったら、責任を問われるのでは」と心配になるかもしれませんが、大鵬ハウジングでは売主様の契約不適合責任を原則として免責としています(契約書に明記)。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は、事前にお伝えください。売却後のトラブルは、これまで0件です。
売却するなら相続登記が必要
ただし、相続した家を売るには前提となる手続きがあります。被相続人名義のままでは、買主へ所有権移転登記をする前提が整わないため、売却を完了させるには相続人へ名義を移す相続登記が欠かせません。
この相続登記は、2024年4月から義務化されました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要で、2024年4月より前に相続した未登記の不動産についても、2027年3月末までの登記が求められます。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象となる場合があります。手続きが複雑に感じられても、司法書士など専門家に任せれば、負担を抑えて進められます。
相続登記の申請義務化について|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
放棄と決める前に、その家が売れるかどうかを一度確かめてみてください。登記の手続きも、専門家と連携すれば無理なく進みます。
相続放棄と売却、どちらが得か比べてみる
ここまで見てきたとおり、放棄と売却はどちらが優れているという話ではなく、家の状況によって向き不向きが分かれます。判断の目安を整理してみます。
| 比べる点 | 相続放棄 | 売却・買取 |
|---|---|---|
| 向いているケース | 借金など負債が財産を上回る | 家に一定の価値が見込める |
| 手元に残るお金 | 残らない(財産もあわせて放棄) | 売却代金が残る可能性 |
| 家の管理・責任 | 占有していれば保存義務が残ることも | 引き渡し後は手を離れる |
| 手続き上の注意 | 家庭裁判所への申述は原則3か月以内 | 売却の完了には相続登記が必要(登記は取得を知った日から3年以内の申請義務) |
大まかにいえば、負債の方が明らかに大きいなら放棄、家に値がつく見込みがあるなら売却、という分かれ方になります。迷うのは「価値があるのか分からない」という場合ですが、そこは自己判断せず、査定を受けてから決めても遅くはありません。
放棄が適しているのか、売却の方が得なのかは、その家の実情に沿って見極めていくことが大切です。「分からない」まま放棄に踏み切らず、価値を確かめてから判断する——この順番が、後悔を防ぐ近道になります。
蒲生郡(日野町・竜王町)で相続放棄を考えるときの実情
蒲生郡には、近江日野商人ゆかりの歴史を持つ日野町、近江牛発祥の地として知られる竜王町という、特色のある2つの町があります。ただ、こうした地域では子や孫の世代が都市部へ移り、実家を継ぐ人がいないまま空き家になるケースが目立ちます。
人口の少ない地域ならではの事情も、相続放棄の判断に影を落とします。たとえば、次のような悩みです。
- 地元の不動産業者に相談しても「買い手がいない」と言われてしまう
- 空き家バンクに登録しても、なかなか反応がない
- 田畑や山林、古い倉庫などが実家に付いていて、扱いに困る
こうした事情が重なると、「もう放棄するしかない」と思い込みやすくなります。けれど、地元で買い手が見つからないことと、家に価値がないことは同じではありません。蒲生郡は名神・新名神高速道路を活かして京阪神・中京圏からの移動もしやすく、二地域居住やセカンドハウスとして関心を寄せる人もいます。田畑や山林が付いた実家も、まとめて相談できる先を選べば、放棄以外の道が見えてくることがあります。
もう一つ気をつけたいのが、相続人が各地に散らばりやすいという点です。放棄や話し合いを先延ばしにするうちに次の相続が重なり、連絡の取れない相続人が現れて売却できなくなる——人口減少が進む地域では、こうした事態が起こりやすくなります。放棄か売却かを決める前に、全国から買主を探せる会社に一度、状況を整理してもらう。その一歩が、蒲生郡の空き家では特に効いてきます。
竜王町の紹介|竜王町 https://www.town.ryuoh.shiga.jp/furusato/introduction/introduction.html
蒲生郡で相続した空き家を相談するには
相談から手放しまでの流れは、決して複雑なものではありません。大まかには、次のような順に進んでいきます。
- 家の状況や相続の状態を伝える
- 家の価値や、相続登記の要否を確認する
- 放棄と売却、どちらで進めるかを決める
株式会社大鵬ハウジングは大阪を拠点に全国へ対応し、蒲生郡のような地域の空き家にも、訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応します。相続登記が済んでいない、荷物が残っている、現地に行けない——そうした事情があっても、そのままの状態で相談できます。不明な点はその場で提携専門家に確認しながら進められるため、何から手をつければよいか分からない段階でも大丈夫です。
放棄の期限を気にして焦る前に、まずは今の状況を整理するところから始めてみてください。
まとめ

相続放棄は、負債が大きい場合には有効な選択です。ただ、手放したい一心で安易に選ぶと、価値ある財産を失ったり、保存義務や他の相続人への影響といった負担が残ったりすることもあります。放棄と売却は家の状況によって得になる方が変わる——この視点が、後悔しない第一歩になります。
大切なのは、「売れない」と決めつける前にその家の価値を確かめることです。売却できれば代金が手元に残り、管理の責任からも解放されます。株式会社大鵬ハウジングは、蒲生郡(日野町・竜王町)の空き家についても、全国の買主を探す買取力と提携専門家との連携で、放棄と売却のどちらが適しているかを一緒に見極めていきます。3か月という期限に追われる前に、まずは家の実情を整理し、選べる道を広げておいてください。



