【伊勢市】共有名義で進まない空き家売却の解決策を解説

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久保 友宏

【伊勢市】共有名義で進まない空き家売却の解決策を解説

「兄弟3人の名義になっている伊勢市の実家を、これからどうすればいいのか」——空き家 共有名義をめぐるご相談は、株式会社大鵬ハウジングにも数多く寄せられます。共有名義の空き家は持ち主が一人ではないため、売ることも壊すことも自分の判断だけでは進みません。ただ、話が止まっている原因の多くは、誰かが強硬に反対しているからではなく、進める順番と情報の共有が整理されていないところにあります。この記事では、伊勢市で共有名義の空き家を抱えている方に向けて、なぜ話が止まるのか、どうすれば揉めずに売却まで進められるのかを、実務の手順に沿って解説します。

共有名義の空き家とは

共有名義とは、ひとつの不動産を複数人が持分という割合で分け合って所有している状態です。登記簿の権利部に「持分3分の1 ○○」のように、人数分の名前と割合が並びます。共有者が3人いれば、その家には3人の意思が同時に存在していることになります。

なぜ共有名義になってしまうのか

共有名義が生まれるきっかけは、そのほとんどが相続です。

  • 遺産分割の話し合いがまとまらず、とりあえず法定相続分どおりに登記した
  • 「兄弟平等に」という気持ちから、意識的に3等分で登記した
  • 遺産分割をしないまま次の相続が起き、いとこ同士の共有になった
  • 親の代からすでに共有で、そのまま引き継がれた

とくに厄介なのが3番目です。遺産分割をしないまま相続人が亡くなると、その人の相続人が新たに加わります。3人だった共有者が、次の代では7人、その次では十数人に膨らむことも珍しくありません。共有者は時間の経過とともに増えていくという性質を持っています。

共有のままだと何が進まないのか

共有名義でも、できることとできないことがはっきり分かれています。民法では、行為の重さに応じて必要な同意の範囲が定められています。

行為の種類 具体例 必要な同意
保存行為 雨漏りの応急修理、草刈り、不法投棄物の撤去 共有者が単独でできる
管理・軽微変更 短期の賃貸、形状・効用の著しい変更を伴わない修繕等 原則として持分価格の過半数
重大な変更・処分 建物全体の売却、建て替え・解体など 原則として共有者全員の同意

修繕やリフォームは工事内容によって必要な同意が変わりますが、不動産全体を売却したり建物を解体したりするには、原則として共有者全員の同意が必要です。ここに共有名義の空き家が止まる根本的な理由があります。誰も反対していないのに、単に連絡が取れない、話し合いの場が設けられていない、それだけで固定資産税と管理の手間だけが毎年積み上がっていきます。

なお、2024年4月1日から相続登記は義務化されました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。共有のまま登記もしていない実家は、この期限からも動く必要があるということです。共有は放っておいて解けるものではなく、時間が経つほど関係者が増え、判断が難しくなっていきます。

相続登記が義務化されます(令和6年4月1日から)|伊勢市 https://www.city.ise.mie.jp/kurashi/hikkoshi_sumai/akiya/1016101.html

共有名義の空き家を売る2つの道

共有名義の空き家を手放す方法は、大きく分けて2つです。どちらを選ぶかで、手取り額も、その後の人間関係も変わってきます。

全員の合意でまるごと売却する

もっとも一般的で、金額の面でも有利になりやすいのがこの方法です。共有者全員が売主となって不動産全体を売り、売却代金を持分割合に応じて分けます。買主から見れば普通の一戸建てや土地なので、買い手の幅が広く、価格が持分売却より下がりにくいのが利点です。

実務上は、次のような流れで進みます。

  • 共有者全員で売却の方針と最低ラインを決める
  • 代表者を一人決め、窓口を一本化する
  • 査定を取り、条件を全員に共有する
  • 売買契約時は全員が署名押印するか、委任状で代表者に委任する
  • 決済後、持分割合に応じて代金を分配する

遠方の共有者がいる場合も、委任状を利用するなどして、全員が伊勢市に集まらず手続きを進められる場合があります。必要書類や本人確認の方法は契約・登記の進め方によって異なるため、事前に不動産会社や司法書士へ確認します。

自分の持分だけを売る場合

自分の持分だけであれば、他の共有者の同意がなくても売却できます。これは法律上認められた権利です。ただし、実際に選ぶかどうかは慎重に考える必要があります。

  • 買主は「他人と共有する不動産」を持つことになるため、買い手が限られる
  • そのぶん、価格は全体を売る場合より低く評価されやすい
  • 残された共有者は、面識のない第三者と共有関係に入ることになる
  • 後日、買主から共有物分割請求を受け、話し合いが一気に複雑化することもある

持分だけの売却は「最後の手段」として存在は知っておきつつ、まずは全員での売却を目指すのが現実的です。

選択肢 想定される手取り 手間・時間 人間関係への影響
全員合意で全体を売却 比較的高くなりやすい 合意形成に時間がかかる 円満に終わりやすい
自分の持分だけ売却 低く評価されやすい 自分だけで完結する こじれる可能性が高い
共有のまま維持 収入なし・支出は継続 管理と税負担が続く 次世代に問題を先送り

3つを並べてみると、急がば回れという言葉がそのまま当てはまります。合意形成に数か月かけてでも全体を売ったほうが、結果として手元に残る金額も、家族の関係も守られることが多いという判断になります。

話が止まりやすい3つの場面と対処法

「共有だから揉める」のではなく、揉め方にはいくつかの決まった型があります。型がわかっていれば、あらかじめ手を打てます。

意見と希望価格が食い違う

もっとも多いのがこれです。「早く現金にしたい弟」と「まだ壊したくない妹」のように、そもそも目指すゴールが違っているケース。あるいは全員が売却に賛成でも、一人だけが実勢とかけ離れた金額を期待しているケースもあります。

対処の要点は、感情の話と数字の話を分けることです。

  • 複数社の査定書を全員が同じタイミングで見られるようにする
  • 「いくらで売れるか」ではなく「持ち続けたら年間いくらかかるか」も並べて示す
  • 思い入れの強い共有者には、金額ではなく時期や引き渡し方法で譲る余地を探す

判断材料が人によってバラバラだと、話し合いは意見のぶつけ合いになります。同じ資料を見ている状態を先に作ることが、遠回りに見えていちばん早い道です。

連絡が取れない共有者がいる

いとこの代まで共有が広がっていると、そもそも住所も分からないという状況が起こります。この場合、まずは戸籍の附票などから住所を追跡します。手紙を出して反応がなくても、いきなり諦める必要はありません。

どうしても所在がつかめない場合、2023年4月1日施行の改正民法により、裁判所の手続きを使って所在等不明共有者の持分を他の共有者が取得したり、その持分の譲渡権限を得たりできる制度が設けられています。ただし、相続によって共有状態になっている「遺産共有」の場合、この制度は原則として相続開始から10年を経過していなければ利用できません。裁判所への申立てや供託など専門的な手続きが伴うため、弁護士や司法書士などの専門家に相談しながら進めるのが現実的です。

名義人の判断能力が下がっている

見落とされがちですが、共有者の一人について、認知症などにより売却の意味や結果を理解して判断する能力が十分でない場合、家族が本人に代わって自由に同意できるわけではありません。本人の判断能力の程度によっては、家庭裁判所の後見・保佐・補助などの制度を利用し、適切な代理権を持つ人を定める必要があります。本人の居住用不動産にあたる場合は、後見人等が売却する際に家庭裁判所の許可も必要になります。

手続きには相応の時間がかかりますので、親御さんの体調に不安が出てきた段階で早めに専門家へ相談しておくと、選べる手が残ります。揉める前に整理しておくこと、これが共有名義の空き家では何よりも効きます。

所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html

揉めずに売却を進める手順

ここからは実際の進め方です。順番を守るだけで、話し合いの空回りはかなり減らせます。

登記簿で共有者と持分を確定させる

最初にやるべきは、記憶ではなく登記簿で事実を確認することです。まず登記事項証明書を取得し、登記上の名義人・住所・持分割合を確認します。ただし、相続登記や住所変更の登記が未了の場合、登記簿だけでは現在の権利者や現住所を確定できません。必要に応じて戸籍などを確認し、現在の相続人・共有者を整理します。「たしか兄弟3人のはず」が、実際には亡くなった叔父の持分が未整理で5人になっていた、という例は決して少なくありません。

あわせて、固定資産税の納税通知書と名寄帳も取り寄せておくと、隣接する畑や山林が一緒に共有になっていることに気づける場合があります。

全員に同じ情報を同じ形で渡す

共有者が3人以上いる場合、電話で一人ずつ話すやり方は避けたほうが賢明です。伝言のたびにニュアンスが変わり、「自分だけ聞かされていない」という不信につながります。

  • 査定書・現況写真・維持費の一覧をひとまとめにする
  • 郵送やメールで、同じ内容を同じ日に全員へ届ける
  • 決めてほしいことと、その回答期限を明記する

情報の非対称をなくすことが、共有名義の話し合いにおける最大の予防策です。

期限と役割を決めてから動く

「そのうち相談しよう」で数年が過ぎるのが共有空き家の常です。売却の方針が固まったら、いつまでに何を決めるかを紙に書き、代表者と連絡担当を決めます。代表者は必ずしも長男である必要はなく、現地に行きやすい人や、事務作業が苦にならない人が向いています。

段取りが決まっていれば、共有者が全国に散っていても手続きは進みます。動かない理由は距離ではなく、決め方が決まっていないことにあります。

専門家との連携でトラブルを避ける

共有名義の空き家には、不動産の話・相続の話・登記の話・税金の話が同時に絡みます。所有者がそれぞれ別の窓口を探して回るのは、時間も労力も大きな負担です。

株式会社大鵬ハウジングでは、弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・税理士・FP2級・残置物処分業者と提携しています。当社が窓口となり、登記申請や法律相談などの専門業務はそれぞれの資格者が担当しますので、所有者の方が複数の事務所を回る必要はありません。共有者の調査から、遺産分割の整理、売却、残置物の処分まで、ひとつの流れとして進められます。

買取という形をとる場合、当社の買取では相続登記や所有権移転登記などの登記費用を当社が負担します。ただし、印紙税や譲渡所得にかかる税金など、売主側で生じる費用もありますので、事前に全体像をお伝えしたうえでご判断いただいています。また、売主様の契約不適合責任は、原則として免責としています(契約書に明記)。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は、事前にお伝えください。売却後のトラブルは0件です。

年間約2,400件のご相談、300〜400件の成約に携わっており、共有者が複数いる案件も日常的に扱っています。全スタッフが工務店または大手不動産会社での実務経験10年以上で、訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応します。共有名義の売却は関係者が多いぶん、担当者が途中で変わらないこと自体が、話をこじらせないための条件になります。

伊勢市の共有空き家に起きていること

伊勢市の人口は、2025年1月1日時点の住民基本台帳でおよそ11万9千人。65歳以上がおよそ3人に1人を占めています。市の人口ビジョンでも、進学・就職期にあたる20〜24歳を中心に転出超過の傾向が示されています。この「親世代は市内に残り、子世代は市外へ出た」という構図が、共有名義の空き家をつくる土台になっています。

伊勢市ならではの事情も重なります。神宮の門前町として発展した河崎や古市町、八日市場町といった旧市街には、間口が狭く奥に長い敷地や、店舗部分と住居部分が一体になった建物も見られ、建物の使い方や敷地条件によって売却方法の検討事項が増える場合があります。2005年の合併で、現在の伊勢市には旧二見町・旧小俣町・旧御薗村の区域も含まれており、高齢化の状況には地区差もあります。

たとえば、河崎の実家を名古屋在住の長男、市内在住の長女、大阪在住の次男の3人が3分の1ずつ相続した、というケースを想定してみます。長女は「実家を壊したくない」、次男は「維持費を払い続けるのはもったいない」、長男は間に立って動けない——共有名義では、このように共有者ごとの生活環境や実家への思いが違い、意見がまとまりにくくなることがあります。誰かが悪いわけではなく、生活が違えば実家への距離感も違って当然です。

伊勢市は都市機能も鉄道アクセスもある地域で、物件そのものに需要がないわけではありません。ただ、旧市街の狭い接道や店舗併用の間取りが絡むと、地元だけでは買主が見つかりにくくなる場合もあります。当社は大阪1店舗から全国に対応しており、地元の不動産会社では出会えない買主とつながることがあります。他社でマイナス査定になった物件をプラス査定で買い取った実績もあります。共有名義であること自体は、売れない理由にはなりません。

伊勢市で共有名義の空き家を相談するには

伊勢市には、空き家の相談を受け付ける公的な窓口があります。住宅政策課の空家対策係が窓口となり、内容に応じて「空き家ネットワークみえ」へ取り次ぐ仕組みです。このネットワークには三重県宅地建物取引業協会、三重県司法書士会、三重県土地家屋調査士会、東海税理士会三重県支部連合会など8つの団体が参加しています。相談は無料ですが、相続調査や登記作成、建物鑑定など、具体的な調査・手続きを依頼する場合には費用が発生することがあります。まず制度や手続きの一般論を確認したい段階であれば、市の窓口から入るのは有効な選択肢です。

そのうえで、具体的な金額や売却の可否を知りたい段階になったら、不動産会社の査定を取ることになります。当社への相談は、おおむね次の流れです。

  • 電話またはメールで状況をお聞かせいただく(共有者の人数、物件の場所、現在の使用状況など)
  • 登記簿や固定資産税の書類をもとに、権利関係を整理する
  • 現地を調査し、査定書を作成する
  • 共有者全員に同じ査定書をお渡しし、方針を検討していただく
  • 方針が固まった段階で、売却または買取の手続きに進む

査定は無料で、交通費や出張費を請求することもありません。各スタッフに1億円以内の決裁権があり、条件が整えば平日当日中の対応も可能です。ただし金額も日程も物件の状況によるため、必ず当日買取になるとお約束するものではありません。共有者の一部だけがまず話を聞いてみたい、という段階のご相談でも構いません。判断材料を持ち帰って家族に見せる、そこから始めていただければ十分です。

空家に関する相談|伊勢市 https://www.city.ise.mie.jp/kurashi/hikkoshi_sumai/akiya/1007953.html

伊勢市の空き家買取・対応エリア

岩渕、宮町、一之木、曽祢、八日市場町、河崎、船江、中島、辻久留、常磐、藤里町、浦口、吹上、勢田町、楠部町、古市町、大湊町、朝熊町、二見町茶屋、小俣町本町、御薗町高向

※上記に記載のない町名でも、伊勢市内であればすべて対応可能です。お気軽にご相談ください。

まとめ

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共有名義の空き家が動かない理由は、権利が複雑だからというより、進め方が決まっていないことにあります。売却には共有者全員の同意が必要ですが、逆にいえば、全員がそろえば売れます。まずは登記簿で共有者と持分を確定させ、同じ情報を全員に同じ形で渡し、期限と役割を決める。この3つを踏むだけで、何年も止まっていた話が動き出すことは珍しくありません。連絡の取れない共有者がいる場合や、名義人の判断能力に不安がある場合も、裁判所の手続きや成年後見といった制度が用意されていますので、早めに専門家へつなぐことで選べる手が残ります。

伊勢市では、旧市街の細長い敷地や店舗併用の建物といった事情も重なり、共有のまま置かれた実家が見られます。株式会社大鵬ハウジングは、弁護士・司法書士・税理士などの専門家と連携しながら、権利関係の整理から売却までを一貫してお手伝いしています。伊勢市の共有名義の空き家について、何から手をつければいいか分からないという段階でも、状況を整理するところからご一緒できればと考えています。

この記事の監修者

株式会社大鵬ハウジング 代表取締役 久保 友宏

株式会社大鵬ハウジング

代表取締役 久保 友宏

地方・田舎の空き家、相続不動産、訳あり不動産などの売却相談に対応。
年間約2,400件の相談実績を持ち、ファイナンシャルプランナーとして不動産売却後の資産整理についてもサポートしています。

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