オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏

【明石市】空き家を相続放棄する前に知るべき落とし穴|売却との比較

明石市にある親御さんの家を相続することになり、「使う予定もないのだから、相続放棄してしまえば楽になるのでは」とお考えの方は少なくありません。ただ、相続放棄は「いらないものだけ手放せる制度」ではなく、期限も、放棄したあとに残る責任もあります。株式会社大鵬ハウジングには全国から年間およそ2,400件の空き家相談が寄せられますが、詳しくお話を伺ううちに「放棄より売却のほうが合っていた」と分かるケースも珍しくありません。この記事では、明石市で空き家の相続放棄を検討する前に知っておきたい落とし穴と、売却・買取との比較を整理します。

空き家を相続放棄するとどうなるのか

相続放棄は、借金のほうが明らかに多い場合には有効な手段です。一方で、「使わない家を手放すための制度」ではありません。まずは制度の輪郭を正確につかんでおきます。

相続放棄は家庭裁判所への申述が必要

「兄弟で話し合い、自分はいらないと伝えた」=相続放棄、という誤解がよくあります。遺産分割協議で財産を受け取らないと決めただけでは、法律上の相続放棄にはあたりません。

  • 手続きは、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所への申述
  • 期限は原則として、自分のために相続が開始したことを知ったときから3か月以内(熟慮期間)
  • 財産や借金の調査が終わらない場合は、熟慮期間の伸長を申し立てる方法もある

「実家だけ放棄」という選び方はできない

相続放棄をすると、法律上ははじめから相続人でなかったものとして扱われます。つまり、引き継げなくなるのは空き家だけではありません。

相続放棄をすると 具体例
引き継がなくてよくなるもの 借入金、連帯保証債務、滞納していた税金や管理費
引き継げなくなるもの 預貯金、有価証券、車、そして実家の土地・建物

※死亡保険金は、契約内容や受取人の指定によって扱いが異なります。受取人本人の固有財産として相続放棄後も受け取れる場合がありますが、被相続人が受取人となっている保険金などは相続財産に含まれる可能性があります。

「家はいらないが預金は受け取りたい」という選び方はできません。ここを取り違えたまま手続きを進めてしまうと、あとから取り返しがつかなくなります。

一度受理されると原則として撤回できない

家庭裁判所に受理された相続放棄は、原則として撤回できません。あとで土地に値段がついたと分かっても、やり直しはききません。3か月という期限に追われながら、撤回できない判断を下すという構造そのものが、相続放棄のいちばんの怖さだと考えています。急ぎたいときほど、財産の一覧づくりを先に置いてください。

相続の放棄の申述|裁判所 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html

相続放棄しても残ることがある「保存義務」

「放棄すれば、その家とは一切関係がなくなる」と説明されることがありますが、実務ではもう一段の確認が要ります。放棄後に建物の管理責任が残る場合があるためです。

2023年の民法改正で何が変わったか

2023年4月に施行された改正民法940条により、相続放棄後の責任の範囲が整理されました。

  • 呼び方が「管理義務」から「保存義務」に変更された
  • 義務を負うのは、放棄の時点でその財産を「現に占有」していた人に限定された
  • 義務が続くのは、次順位の相続人または相続財産清算人に引き渡すまでの間

保存義務は、自己の財産と同一の注意をもって財産を保存する義務です。全面的な改修や積極的な活用まで当然に求められるものではありませんが、具体的に何をすべきかは建物の状態によって異なります。

改正前は、遠方に住んで一度も関わっていない人にまで責任が及びうると読める条文でした。この点が明確になったことは、空き家を抱える相続人にとって大きな変化です。

「現に占有」に当たるのはどんな場合か

放棄した時点でその家を事実上支配していたかどうかは、次のような事情を踏まえて個別に判断されます。

  • 放棄時点の居住状況(同居していたか、住み続けているか)
  • 鍵や荷物の管理、家への出入りの頻度
  • 第三者へ管理を委託していたかどうか

鍵を持っている、時々草刈りをしているといった一つの事情だけで、保存義務の有無が決まるわけではありません。所有権があるかどうかとも別の判断になります。

遠方で関わりがなければ原則として負わない

管理に一切関与していない財産にまで保存義務を負わせることは、相続放棄という制度の趣旨に合わないと整理されています。とはいえ、遠方に住んでいるという一点だけで必ず非占有と扱われるわけでもありません。放棄で身軽になれるかどうかは、自分と家との関わり方によって変わるわけです。判断がつかない場合は、放棄の申述を急ぐ前に弁護士や司法書士へ確認しておくと安心です。

相続放棄で見落とされやすい3つの落とし穴

ここからは、手続きそのものよりも「その後」に起きる問題を見ていきます。

落とし穴1:次の順位の相続人に話が回る

自分が放棄すると、次順位の親族が相続人になる場合があります。ここで誤解が多いのが、通知の仕組みです。

  • 家庭裁判所や役所から次順位の相続人へ、自動的に連絡が入る制度ではない
  • 事情を知らない親族が、債権者などから突然連絡を受けることがある
  • 実際の相続順位は、代襲相続人の有無によっても変わる

黙って放棄すると角が立ちやすいため、次順位となり得る親族へ一報を入れておくだけでも、その後の空気がまるで違ってきます。

落とし穴2:清算人の選任には時間と費用がかかる

相続人全員が放棄して相続する人がいなくなった場合でも、相続財産清算人が自動的に選任されるわけではありません。債権者などの利害関係人または検察官が家庭裁判所へ申し立て、必要性が認められた場合に選任されます。

財産だけでは清算人の報酬や管理費用を賄えない可能性があるときは、申立人に相当額の予納金が求められることがあります。金額や手続にかかる期間は事案によって異なるため、申立先の家庭裁判所への確認が必要です。「放棄すれば費用ゼロで完結する」とは限らない点を押さえておいてください。

落とし穴3:家の値段を確かめないまま手放してしまう

相続放棄は、財産の中身を確定させないままでも申述できてしまいます。そこに落とし穴があります。

  • 借金があるらしいという伝聞だけで放棄を決め、実際には資産が上回っていた
  • 家に値段がつくかどうかを確認しないまま、熟慮期間の終わりに合わせて判断した
  • 放棄後に土地の評価額を知り、撤回できないことをそのとき初めて知った

放棄を決める前に、家や土地の売却可能性と想定価格を確認しておくことが大切です。ただし、不動産会社の査定額は実際の成約価格を保証するものではありません。抵当権の被担保債務、滞納税、登記費用、仲介手数料、測量・解体・残置物処分費、譲渡所得税なども差し引いたうえで、最終的に手元に残る見込み額で比較することをおすすめします。

放棄ではなく「売却・買取」で手放すという選択肢

借金がないか、あっても家の価値のほうが上回るのであれば、相続したうえで売却・買取に出すという道があります。

残置物が残っていても、相続登記が済んでいなくても相談は始められる

「家財を全部片付けてからでないと売れない」「名義が親のままだから無理」と思い込んで、何年も手つかずの方が本当に多くいらっしゃいます。実際には、査定や売却準備、不動産会社への相談は先に始められます。当社では、残置物があることだけを理由に一律で買取をお断りすることはありません。処分方法や費用負担を含め、個別の査定条件をご案内します。

ただし、買主へ所有権を移転するには、原則として先に正式な相続登記を完了させる必要があります。相続人申告登記だけでは売却手続を完了できません。

相続登記は2024年4月1日から義務化されました。2024年4月1日より前に相続で取得したことをすでに知っていた未登記不動産は、原則として2027年3月31日までに登記が必要です。2024年4月1日以降に初めて取得を知った場合や、その後に遺産分割が成立した場合は、別途3年の期限が問題になります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になりうるとされています(必ず科されるわけではありません)。当社の買取では、相続登記や所有権移転登記などの登記費用を自社で負担しています。

相続登記の申請義務化に関するQ&A|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html

売却の検討は進められるが、3か月の期限は止まらない

査定や不動産会社への相談は、相続放棄を検討しながらでも進められます。ただし、熟慮期間は原則3か月であり、査定中だからといって期限が止まるわけではありません。また、売買契約、建物の解体、預金の私的な払い戻しなどは、法定単純承認に当たり、その後は相続放棄ができなくなる可能性があります。放棄の可能性を残しておきたい場合は、財産を処分する前に弁護士や司法書士へ確認してください。

そのうえで相続を選ぶのであれば、買取は買主を探す期間が不要なぶん、話が早く進みます。

  • 各スタッフに2,000万円以内の決裁権があり、条件が整えば平日当日中の買取も可能
  • 仲介と違い、内覧の日程調整や価格交渉が長引かない
  • 周囲に知られたくない場合、広告を出さずに進めた実績もある

当社では、売主様の契約不適合責任を原則免責とし、契約書に明記しています。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでに把握している不具合は事前にお伝えください。当社集計では、これまで売却後のトラブルは0件です。

他社に断られた家こそ相談する価値がある

当社は大阪1店舗から全国に対応しており、地元の不動産会社では出会えない買主とつながることがあります。他社でマイナス査定になった物件をプラス査定で買い取った実績も複数あります。「断られた=価値がない」ではなく、その会社の顧客に買う人がいなかっただけという場合も少なくありません。

相続放棄と売却、どちらを選ぶかの比較

判断材料を並べて比べてみます。

3つの選択肢を並べて比べる

比較項目 相続放棄 相続して売却・買取 相続して保有し続ける
期限 原則3か月以内 期限なし(登記義務は別) 期限なし
借金の扱い 引き継がない 引き継ぐ(売却代金を充当できる場合も) 引き継ぐ
手元に残るお金 なし 売却代金が残る可能性がある なし(固定資産税等が出ていく)
その後の管理責任 「現に占有」していれば引き渡しまで残る 引き渡し後はなし 継続して負う
他の親族への影響 次順位の相続人に権利と負担が移る 遺産分割で完結しやすい 次世代へ先送りになる
費用 申述費用。清算人選任を申し立てる場合は申立費用や予納金が必要になることがある 仲介手数料(買取なら不要) 固定資産税・都市計画税、管理費
向いているケース 借金が明らかに多い 家や土地に値段がつく 使う予定が具体的にある

判断の分かれ目は「負債があるかどうか」

判断の軸そのものは複雑ではありません。負債が資産を上回るなら相続放棄、家や土地に値段がつくなら売却、というのが基本形です。難しいのは全体像が3か月で見えないケースで、熟慮期間の伸長を申し立てつつ査定を受ければ、判断材料の半分は先に揃います。

順番を間違えないことが何より大事

放棄を先に済ませると、あとから家に値段がついたと分かっても戻れません。逆に、査定を先に受けても放棄する権利は失われません。先に確かめられることを確かめてから、取り消せない手続きに進む。この順番を守るだけで、後悔の多くは避けられます。法律が絡む部分は提携する弁護士・司法書士に確認しながら進められるため、ご自身で調べ切る必要もありません。

明石市で相続放棄を考えるときに知っておきたい実情

同じ「空き家の相続放棄」でも、家がどこにあるかで話は変わります。明石市の場合、押さえておきたい前提がいくつかあります。

人口は13年連続で増加、住宅地の地価は9年連続上昇

明石市の人口は2026年1月1日時点で約30万7,000人、子育て世帯の転入超過を背景に13年連続で増加しています。2026年の公示地価でも、市内の住宅地の平均変動率は5.2%と9年連続で上昇し、県内の市区町別で1位でした。

つまり明石市の実家は、「買い手がいないから放棄するしかない」という前提が当てはまりにくい地域です。放棄を考える前に値段を確認する意味は、特に大きいといえます。

大久保・西明石の周辺と、駅から離れた住宅地の温度差

とはいえ市内が一様に動いているわけではありません。上昇が目立つのは、割安感と利便性のある大久保・西明石の周辺です。駅から距離のある古い住宅地では、同じ市内でも反応が異なります。

  • 駅近・区画が整った住宅地:エンドユーザーの需要が期待できる
  • 駅から離れた旧分譲地:買い手層が絞られ、価格の付き方に差が出やすい
  • 接道や間口に制約のある区画:仲介より買取が向く場合がある

建物が古くても、土地に目を向ける

築40年、50年の木造住宅だと「もう値段がつかない」と感じる方が多いのですが、明石市のように土地への需要がある地域では、土地として評価される場面があります。当社は役所を回り、区域区分や道路の状況まで確認したうえで査定書を作成します。建物の古さと、土地の評価は別物と考えてください。

令和8年地価公示|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_fr4_000001_00324.html

明石市で相続した空き家を相談するには

相談先は一つに絞る必要がありません。公的窓口と民間、それぞれ得意な領域が違います。

まず使える公的な無料相談窓口

明石市は市民相談室を中心に、無料の相談機会を設けています。

  • 法律相談(弁護士):不動産・相続・財産管理などの法律問題全般。毎週火曜・金曜の13時〜16時、1組20分以内
  • 法務・登記相談(司法書士):不動産の登記、相続、売買、成年後見など。第2・4水曜の13時〜16時、1組30分以内
  • 出張法律相談:大久保・魚住・二見の各市民センターで、月に一度ずつ13時30分〜16時30分
  • 訪問相談:高齢や心身の障害などで市役所へ出向くことが難しい方の自宅などへ出向いて実施
  • 住宅課(都市局住宅・建築室):空き家の利活用に関する相談窓口。所有者からの相談はここが入口になる

法律相談は相談日の2週間前から先着順の電話受付で、同一年度内2回まで(同一案件は1回限り)という利用条件があります。市外にお住まいの相続人の方は、利用できる範囲を予約時に確認しておくと確実です。予約先は明石市市民相談室(078-918-5002)です。

不動産会社に相談するタイミング

公的窓口は助言が中心で、書類作成や売却の実務までは扱いません。「放棄すべきか、売るべきか」の判断には、売却可能性と想定価格という材料が要ります。法律相談と不動産の査定は、どちらかではなく並行して進めるのが現実的です。査定に費用はかからず、遠方で交通手段のない方にはお迎えの対応もできます。

手元にあると話が早いもの

完璧な準備は不要ですが、次のものがあると初回から具体的な話ができます。

  • 固定資産税の納税通知書(課税明細書)
  • 登記事項証明書、または古い権利証
  • 預金通帳や借入の心当たりが分かるもの
  • 相続人が何人いるかのメモ

揃わない書類があっても構いません。訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が一貫して対応するため、途中で話が振り出しに戻ることもありません。

暮らしと住まいに関する相談|明石市 https://www.city.akashi.lg.jp/seisaku/kouhou_ka/kurashi/sodan/madoguchi/kurashi.html

明石市の空き家買取・対応エリア

大明石町、相生町、材木町、上ノ丸、王子、太寺、朝霧台、朝霧町、旭が丘、藤江、大久保町大窪、大久保町駅前、大久保町江井島、大久保町高丘、大久保町西脇、魚住町中尾、魚住町清水、魚住町錦が丘、魚住町長坂寺、二見町南二見

※上記に記載のない町名でも、明石市内であればすべて対応可能です。お気軽にご相談ください。

まとめ

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明石市で空き家を相続放棄する前に、押さえておきたい点を振り返ります。

  • 相続放棄は家庭裁判所への申述が必要で、原則3か月以内。受理されると原則として撤回できない
  • 「家だけ放棄」はできず、預貯金などプラスの財産も引き継げなくなる
  • 2023年の民法改正により、保存義務を負うのは放棄時に「現に占有」していた人に限られる
  • 放棄すると次順位の相続人に話が回り、清算人の選任には予納金と時間がかかる
  • 明石市は人口が13年連続で増加し、住宅地の地価も9年連続で上昇している

相続放棄が最善の選択になる場面は確かにあります。ただそれは、負債と資産の全体像が見えたうえでの判断であってこそです。株式会社大鵬ハウジングは、明石市の空き家についても、査定から相続手続きの整理まで提携専門家と連携しながらお手伝いしています。放棄と売却のどちらが向いているかという段階から、一緒に整理していきます。

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