オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏

【茨木市】兄弟共有の空き家、揉めずに売る方法とは|円満に売るコツ

親から相続した茨木市の実家が、気づけば兄弟3人の共有名義のまま誰も住まず、固定資産税の納税通知書だけが長男のもとに届き続けている——株式会社大鵬ハウジングには、年間約2,400件の空き家相談が寄せられていますが、共有名義の物件では法律上の権利関係だけでなく、費用の負担や実家への思いの違いが絡み合い、共有名義の空き家がやっかいなのは、法律の問題であると同時に家族の感情の問題でもあるという点に行き着きます。ただ、順番を踏んで話を進めれば、選べる道は思っているより残っています。

この記事では、茨木市で兄弟共有の空き家をお持ちの方に向けて、共有名義の空き家を売る方法、揉めやすい場面、そして円満に進めるための具体的な手順を整理してお伝えします。

空き家が「共有名義」になってしまう理由

共有名義とは、1つの不動産を複数人が持分(もちぶん)という割合で所有している状態を指します。

相続すると、何もしなくても共有になる

遺言などで取得者が指定されておらず、相続人が複数いる場合、遺産分割が終わるまで相続財産は共同相続人の共有になります。配偶者がおらず、同順位の相続人が兄弟3人だけであれば、法定相続分は原則として3分の1ずつです。

ただし、この割合は固定ではありません。配偶者の有無、代襲相続、遺言、相続放棄、特別受益などによって変わります。また、登記上は亡くなった親の名義のままでも、法律上はすでに遺産共有になっている場合があります。共有状態が続きやすいのは、遺産分割の話し合いを先送りにしたまま数年が経った、現金や預貯金が少なく実家を分けるしかなかった、誰も住む予定がなく決め手がないまま等分に登記した、といったケースです。

共有のままでできること・できないこと

共有名義の不動産は、行為の種類によって必要な同意の範囲が変わります。

行為の種類 必要な同意 具体例
保存行為 各共有者が単独で可能 現状維持のために必要な小規模修繕など
管理行為・軽微な変更 持分価格の過半数 一定期間内の賃貸借、形状・効用の著しい変更を伴わない改修など
重大な変更・処分 原則として共有者全員 不動産全体の売却、取り壊し、建て替えなど

修繕やリフォームがどの区分に当たるかは、工事の規模や内容によって変わります。判断が分かれるときは、着工前に弁護士などへ確認してください。

問題はいちばん下の行です。空き家をまるごと売るには、原則として共有者全員の同意が必要になります。1人が「まだ売りたくない」と言えば、そこで止まります。

費用は偏り、決定権は分散する

茨木市では、共有不動産の固定資産税の納税通知書は共有代表者に送られます。ただし、納税義務は代表者だけにあるのではなく、共有者全員が全額について連帯して納付する義務を負います。持分の割合だけを負担すれば足りる、という仕組みではありません。

実際の支払いを一人が続けている場合、誰がいくら払い、どう精算するかを売却前に整理しておかないと、後で必ず蒸し返されます。費用は一人に偏りやすく、決定権は全員に分散している——この非対称こそが、共有名義の空き家をこじらせる最大の要因だと考えて動くと、対策の優先順位がはっきりします。

兄弟共有の空き家を売る3つの方法

「全員の同意が要る」と聞くと道が閉ざされたように感じますが、選べる方法は1つではありません。

方法1:全員の合意で家ごと売る

もっとも一般的な方法です。共有者全員が売主となって売却し、代金を持分割合に応じて分けます。権利関係が明快なため、通常の中古住宅と同じ土俵で検討され、価格面でも有利になりやすいのが特徴です。全員が契約や決済の場に揃えなくても、委任状で代理人を立てられるため、遠方に住む兄弟がいても進められます。

方法2:自分の持分だけを売る

自分の持分だけであれば、他の共有者の同意なしに処分できます。 ただし、この選択には慎重な検討が必要です。買い手は共有持分を扱う専門業者などに限られ、単独所有の不動産に比べて評価は下がりやすく、見知らぬ第三者が共有者に加わることで残った兄弟との関係が悪化しやすいという副作用もあります。「もう話し合いたくない」という気持ちから踏み切る方もいますが、家族の関係を残したいなら最後の手段と考えるのが現実的です。

方法3:誰か一人が買い取って単独名義にする

兄弟の一人が他の持分を買い取り、単独名義にしてから売る、あるいはそのまま所有し続ける方法です。買い取る側にまとまった資金が必要になりますが、実家を残したい人がいる場合には収まりのよい着地になります。

3つの方法を比較すると

方法 必要な同意 手取りの傾向 家族関係への影響 向いているケース
全員で売る 原則として全員 比較的高くなりやすい 小さい 全員が手放したい
持分だけ売る 不要 下がりやすい 大きい 合意形成が困難
一人が買い取る 売る人との合意 買主側に資金が必要 中程度 残したい人がいる

正解は兄弟の人数や関係、資金力によって変わります。大切なのは、3つの選択肢があると全員が知ったうえで議論を始めることです。「売るか売らないか」の二択だと思い込んだまま話し合うと、対立が先鋭化しやすくなります。

兄弟間で揉めやすい場面

共有名義の空き家がつまずく箇所は、ある程度パターン化しています。

「いくらで売るか」で意見が割れる

もっとも多いのが価格の不一致です。実家に思い入れのある人ほど高く見積もり、早く現金化したい人ほど低い価格でも構わないと考えます。根拠のない金額同士がぶつかると、話は平行線をたどります。さらに、固定資産税や草刈りを負担してきた人が「その分は上乗せされるべきだ」と考える一方、他の兄弟にその実感はありません。金額の話は、感情の話とほぼ一体です。

話し合いに応じない・連絡が取れない兄弟がいる

疎遠になっている、住所が分からない、連絡しても返答がない。こうした状態も珍しくありません。

2023年4月1日施行の改正民法では、所在等が不明な共有者がいる場合に、裁判所の決定を経てその持分を取得したり、第三者へ譲渡したりできる制度が新設されました。ただし条件があります。所在等不明共有者の持分が共同相続人間で遺産分割をすべき相続財産に属する場合は、原則として相続開始から10年を経過している必要があります。所在不明者が単独相続しているとき、すでに遺産分割が成立しているときなど、10年経過前でも申立てできる例外はありますが、申立て後は官報公告や、持分の時価相当額を基礎とした供託などが必要で、要件を満たせば必ず認められるものでもありません。

制度はあるが、時間も費用もかかるというのが実情で、使えるかどうかの判断は弁護士または司法書士への確認が欠かせません。揉める前提で構えるより、連絡がつくうちに話をまとめておくほうが、結果としてはるかに負担は軽く済みます。

円満に売るための5ステップ

順番を間違えると、こじれます。逆にいえば、順番さえ守れば話はかなりスムーズに進みます。

最初にやるべきは、話し合いではなく事実の確認です。 登記事項証明書を取り、名義が誰になっているか、持分が何分のいくつかを確認してください。祖父の代から名義が動いておらず、相続人が10人以上に膨れ上がっていた、というケースも珍しくありません。名義と持分が曖昧なまま議論を始めると、後から前提が崩れて話が振り出しに戻ります。

事実が確認できたら、次は査定です。 1社だけの数字を根拠にすると、「その業者が安く言っているだけでは」と疑われがちです。複数社から査定を取り、書面にして全員に同じタイミングで配ってください。口頭で「だいたい◯◯万円らしい」と伝えるやり方は、後の不信感につながります。

事実と金額の目安が揃ったら、「売るか、残すか」の方針を先に決めます。 ここで重要なのは、価格の話をまだ持ち出さないことです。方針が固まっていない段階で金額の話を始めると、売りたくない人にとって金額はただの反対材料になり、話がこじれます。方針が固まってはじめて、いくらで、いつまでに、という具体論に進めます。

方針が決まったら、窓口役を1人に絞ります。 全員が別々に不動産会社へ連絡すると、伝わる情報にバラつきが出て、「兄が勝手に話を進めている」といった不信感の温床になります。窓口役が一本化されていれば、進捗も条件も全員が同じ情報を見られる状態を保てます。

最後に、売買契約と決済を行い、代金を持分割合に応じて分配します。書類の不備で決済日がずれることもあるため、必要書類は早めに窓口役へ集約しておくと安心です。

事実確認、情報共有、方針決定、窓口の一本化、そして実行。この順番を守ること自体が、揉めないための最大の対策になります。

専門家を挟むと、話がこじれにくくなる

兄弟だけで話し合うと、過去の記憶や序列が持ち込まれます。第三者が間に入るだけで、議論が現在の事実に戻ることも多くあります。

大鵬ハウジングは、弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士・税理士・FP2級の有資格者と提携しています。当社が窓口となって段取りを組み、登記申請や法律相談などの専門業務は、それぞれの資格を持つ専門家が担当します。相続登記が未了の状態でもそのままご相談いただけ、当社が買い取る場合は相続登記や所有権移転登記などの費用を当社が負担します。全スタッフが実務経験10年以上で、訪問調査から契約・決済まで同じ担当者が対応します。

売主様の契約不適合責任は、原則として免責としています。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は事前にお伝えください。この取り扱いは契約書に明記したうえで進めています。「揉めているから相談しづらい」と感じる方もいますが、実際には揉めている段階でこそ第三者の出番です。

茨木市の兄弟共有空き家に多いパターン

茨木市は大阪市と京都市の中間に位置し、JR東海道線・阪急京都線・大阪モノレールの3路線と名神高速道路茨木インターチェンジを持つ、交通の便に恵まれたまちです。住民基本台帳人口は2026年6月末現在で28万5,907人。市の資料によると、65歳以上人口の割合は2020年の24.8%から、2050年には33.9%へ上昇すると推計されています。

昭和30年代には工場誘致が進み、1970年の大阪万博に合わせてJR茨木駅や阪急南茨木駅周辺の整備も進みました。その後、市内各地で住宅地が形成されてきました。こうした背景から、子世代は市内・大阪市内・京都市内と近距離に散っており、「連絡はつくが集まる機会がない」という状態になりやすい土地柄です。交通利便性が高い分、「いずれ誰かが住むかもしれない」と判断を先送りしやすいことも重なります。

たとえば、南春日丘や美穂ケ丘のような住宅地の実家を3兄弟で相続し、長男は茨木市内、次男は東京、長女は京都市内という配置のケース。全員が「急がなくていい」と思っているうちに3年、5年と過ぎていきます。売れ方は駅からの距離、接道状況、市街化区域か市街化調整区域かなどによって大きく異なり、建物が古くても土地として検討される物件はありますが、市内のすべてに一定の需要があるわけではありません。

茨木市は平成28年度に空家等対策計画を策定し、令和7年3月には第2期計画に改定しています。「予防抑制」「適正管理」「利活用」の3つを柱に、行政の側でも取り組みが続いています。行政の動きと家族側の話し合いは別のスピードで進みます。市の対策を待つのではなく、所有者側で先に足並みを揃えておくほうが選択肢は広く残ります。

茨木市で共有名義の空き家を相談するには

相談内容によって、窓口を使い分けると効率的です。兄弟間の対立や法的な権利関係は弁護士、相続登記や名義の整理は司法書士、いくらで売れるか・どう売るかは不動産会社の査定が向いています。

茨木市役所南館1階の市民生活相談課では、市民または市内在勤・在学の方を対象に、弁護士による法律相談(毎週月・水・金曜、午後1時〜5時、1回30分以内)と、司法書士による相談(第1・第3・第4水曜、午前9時30分〜正午)を実施しています。いずれも予約制で、年度内の利用回数に上限があります。

大鵬ハウジングへのご相談は、査定を含めて費用はいただきません。全国の買主とつながっているため、地元の業者では見つけにくい買い手にあたれる場合があります。買取では各スタッフに2,000万円以内の決裁権があり、条件が整えば平日当日中の対応も可能です。ただし金額や時期は物件の状況次第で、必ず当日買取になるとお約束するものではありません。売る決断をしていない段階でも構いませんので、まずは「今どういう状態か」を整理するところから始めてください。

茨木市の空き家買取・対応エリア

安威、耳原、南春日丘、北春日丘、美穂ケ丘、穂積台、豊川、玉櫛、東奈良、沢良宜西、沢良宜東町、真砂、山手台、彩都あさぎ、総持寺、郡山、宿久庄、清水

※上記に記載のない町名でも、茨木市内であればすべて対応可能です。北部地域や、農地・山林が付く物件についても、物件条件を確認したうえで対応を検討します。

まとめ

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茨木市で兄弟共有の空き家を円満に売るために、押さえておきたい点をまとめます。

  • 遺産分割が終わるまで、相続財産は相続人全員の共有になる
  • 不動産全体を売るには、原則として共有者全員の同意が必要
  • 固定資産税は代表者に通知されるが、納付義務は共有者全員が連帯して負う
  • 売り方は「全員で売る」「持分だけ売る」「一人が買い取る」の3通り
  • 進め方は、事実確認→情報共有→方針決定→窓口の一本化→実行の順
  • 所在不明の共有者に対する法的手段はあるが、要件が細かく、時間も費用もかかる

共有名義の空き家は、放っておくと相続がさらに重なり、関係者が増えて手が付けられなくなります。逆にいえば、兄弟が全員そろって話せる今のうちが、いちばん動きやすいタイミングです。

株式会社大鵬ハウジングは、茨木市の空き家について、共有名義や相続登記が整っていない状態からのご相談も承っています。ご家族の関係を守りながら手放す道を、一緒に探させてください。

所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html

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