オフィシャルブログ大鵬ハウジング 社長
久保 友宏

【春日井市】空き家の草むしりや苦情、もう限界という方へ|手放す判断の基準

春日井市の実家に草刈りへ通い続けて、「そろそろ限界かもしれない」と感じている方は少なくありません。空き家の管理の負担は我慢を増やしても軽くならず、どこかで「持ち続ける・貸す・手放す」を決める必要があります。株式会社大鵬ハウジングにも、庭木の苦情や真夏の草むしりに疲れ切ってからご相談に来られる方が毎年いらっしゃいます。この記事では、管理がなぜここまで重くなるのか、どの時点で判断を切り替えるべきかを、春日井市の実情に沿って整理します。

空き家の管理は、なぜここまで負担になるのか

管理が重いのは、作業が難しいからではありません。終わりがなく、代わってくれる人がいないからです。

草むしり・通風・清掃という終わらない作業

誰も住んでいない家でも、草刈り、庭木の剪定、通風・通水、郵便物の処分、外壁や雨樋の点検は残ります。こうした負担を軽くする所有者向けの補助制度を、春日井市はいくつか用意しています。空き家内の残置物を処分する場合は空き家残置物撤去補助金(対象経費の2分の1、上限10万円)、老朽化した空き家を解体する場合は老朽空き家解体費補助金(解体工事費の3分の2、上限20万円)が使えます。いずれも工事や契約の前に申請することが条件のため、動く前に住宅政策課へ確認しておくと安心です。

苦情と気まずさという、もう一つの負担

作業以上にこたえるのが近隣との関係です。春日井市は空き家の敷地に関する相談窓口をまちづくり推進部住宅政策課(0568-85-6572)としており、隣家が困ったときの連絡先ははっきり存在します。

苦情は「草が伸びている」から始まり、枝の越境、落ち葉、蚊やハチ、夜間の人の気配へと形を変えます。一度言われると次に帰るのが気重になり、足が遠のいて状態が悪くなる。この循環が管理疲れの正体です。

「年に何回・誰が」で負担を数える

管理の項目 頻度の目安 主に困る点
草刈り・除草 年2〜3回以上 真夏の作業で体力を消耗
庭木の剪定 年1〜2回 高所・太枝は個人には難しい
通風・室内確認・郵便物 月1回程度 遠方だと往復に半日以上
点検・修繕の判断 不具合が出たとき 費用判断が一人に集中

多くのご家庭では、この全部を一人が背負っています。しかもその一人は、たいてい50代から70代です。負担は作業量ではなく「終わりのなさ」で決まります。まずは年間の回数を書き出し、自分ひとりで抱えている項目を数えてみてください。

空き家残置物撤去補助金|春日井市 https://www.city.kasugai.lg.jp/kurashi/1033189/1038894/1039004/1039008.html

春日井市で管理の手が届かなくなる家の共通点

春日井市の空き家は「買い手がいない土地に建つ家」とは事情が違います。目立つのは、立地は悪くないのに管理だけが物理的に難しい家です。

内陸の工業都市としての顔と、住宅都市としての顔

春日井市は金属製品・生産用機械・プラスチック製品・紙加工品など多様な業種の製造業が集積する、県内でも有数の工業都市です。市内には工業団地もあり、地元で働く世帯の受け皿になってきました。同時に名古屋方面への通勤圏でもあり、住宅都市としての顔も併せ持っています。

市の統計では、人口と世帯数が逆方向に動いています。

項目(各年1月1日現在・住民基本台帳) 2019年 2026年
人口総数 312,007人 305,003人
世帯数 136,110世帯 143,729世帯

7年で人口は約7,000人減った一方、世帯数は約7,600世帯増えています。1世帯あたりの人数が減り、世帯が小さく分かれているわけです。親世代だけが実家に残り、子世代は別に世帯を持つ構図は、工業都市・住宅都市いずれの顔にも共通して見られます。

中心部と郊外、二極化する空き家の実情

春日井市の空き家事情は一様ではありません。勝川駅・春日井駅の周辺は再開発や商業施設の集積が進み、駅近の需要は比較的安定しています。一方、市東部の高蔵寺ニュータウンのような郊外の大規模団地では、入居から半世紀以上が経ち、高齢化と管理の担い手不足が同時に進んでいます。

高蔵寺ニュータウンは、1968年に入居が始まった日本最初期の大規模住宅地です。市の「高蔵寺リ・ニュータウン計画2021-2030」では、面積702.1ha(市域の7.6%)、2020年4月1日時点の居住者42,205人とされています。

  • 斜面地で坂道が多く、道具や刈った草の運搬が体力的にきつい
  • 戸建て区画にまとまった庭があり、放置すると数週間で外から分かる状態になる
  • 入居開始から半世紀以上が経ち、同計画でも地区ごとの高齢化が課題とされている
  • 隣家も高齢世帯が多く、越境した枝を切ってあげる余力が残っていない

春日井市の管理疲れは、中核市クラスの都市の郊外団地で担い手が先に不足していく現象だと言えます。中心部の駅近と同じ市内でも、事情はまったく違います。「売れないから困る」ではなく「使う予定が決まらないまま管理が続く」形が多いと押さえてください。

人口・世帯数の推移|春日井市 https://www.city.kasugai.lg.jp/shisei/toukei/1033871/jinkousuii.html

管理を続けられなくなると何が起きるか

管理が止まると、家の状態と税負担の前提が同時に変わっていきます。

老朽化・害虫・不法投棄・防犯

雨漏りの発見が遅れて柱まで腐朽し、茂った敷地が不法投棄先にされ、外から空き家と分かって空き巣に入られる。人が出入りしない家は、この順で傷みが加速します。当社でも、ご相談後に数年迷っているうちに空き巣と雨漏りで危険家屋になってしまったケースがありました。

「管理不全空家等」に至るまでの段階

2023年12月13日施行の改正空家法で、「管理不全空家等」という区分が新設されました。すでに危険な特定空家等の一歩手前、放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家が対象です。

段階 内容 所有者への影響
指導 適切な管理が行われていない状態を指摘される 費用も選択肢もまだ残る
勧告 指導しても改善されない場合に行われる 住宅用地特例の対象から除外
特定空家等へ 状態が悪化した場合 命令・行政代執行の可能性

勧告を受けると税の軽減はどうなるか

住宅用地特例では、固定資産税の課税標準が、住宅1戸につき200㎡までの小規模住宅用地で価格の6分の1、それを超える一般住宅用地で3分の1に軽減されます。都市計画税が課される土地では、小規模住宅用地が3分の1、一般住宅用地が3分の2です。

管理不全空家等や特定空家等について勧告を受けると、これらの住宅用地特例の対象外となる場合があります。ただし認定と同時に自動で外れるわけではなく、指導の段階で改善すれば避けられます。春日井市は認定基準と手続きフローを公表しており、線引きは決まった手順で進む点も押さえておきたいところです。指導や近隣からの一声は、まだ選択肢が残っているうちに届いた合図です。

固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001712029.pdf

苦情が法律の話に変わるとき|越境した枝のルール

近隣トラブルで見落としやすいのが、2023年4月1日施行の改正民法233条です。越境した枝は原則として竹木の所有者に切除させるという考え方を維持しつつ、次の場合には隣地の所有者が自分で切り取れるようになりました。

  • 切除を求めたが、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
  • 竹木の所有者や、その所在を知ることができないとき
  • 急迫の事情があるとき

「相当の期間」は一般に2週間程度が目安と考えられています。また切除にかかった費用は、竹木の所有者に請求できると考えられています。放っておいた結果、隣家が業者に頼み、その請求が届く展開もあり得ます。草木の苦情は感情の問題で終わらず、費用の請求に変わることがあります。連絡が来た時点で確認するほうが、結果的に安く済みます。

〜民法233条改正を学ぶ〜越境する根・枝の切除問題とは?|公益社団法人 全日本不動産協会 https://magazine.zennichi.or.jp/commentary/10235

負担を軽くする3つの手段を比べる

管理疲れの解き方は3通りです。どれが正しいかではなく、どれなら続けられるかで選ぶのが現実的です。

手段 向いているケース 続ける負担 注意点
①管理を続ける・代行 数年内に使う予定がある 費用と手配が毎年発生 傷みは止まらない
②賃貸として活用 建物の状態が比較的良い 修繕費と入居後の対応 貸主の責任が生じる
③手放す 使う予定も担い手もない 手放すまでの手続き 一度手放すと戻せない

①管理を続ける・代行を使う

管理代行なら巡回・通風・草刈りを任せられます。ただし費用が毎年出続け、老朽化そのものは止まりません。出口が決まっている場合の橋渡しには有効ですが、未定なら費用を払いながら傷みが進みます。

②賃貸として活用する

貸せる家なら、収益を得ながら傷みを抑えられます。人が住むことは家にとって最良の管理でもあります。ただし先に修繕費が出ていく点と、入居後の対応が求められる点は見ておく必要があります。

当社には、ご高齢のご夫婦から買い取り、リフォーム後にひとり親世帯などへ月額1万円程度でお貸ししている物件もあります。所有者は管理から離れ、家は使われ続ける形です。なお春日井市には、地域貢献につながる事業として空き家を活用する法人・団体向けに、改修費用の3分の2(上限50万円)を補助する空き家地域貢献活用事業補助金も用意されています。

③手放す

売却が完了し、所有権の移転と引渡しが済めば、原則として将来の草刈りや修繕といった管理の負担から離れられます。固定資産税等はその年の1月1日の所有者に課税されるため、売買時の精算方法は契約条件によって異なります。解体してから土地として手放したい場合は、前述の老朽空き家解体費補助金を使える場合もあります。

当社は全国対応で買主を探すため、地場業者や大手が見つけられなかった買主に届くことがあり、他社でマイナス査定だった物件をプラス査定で買い取った実績もあります。買取なら買主を探す期間が不要で、担当者ごとに2,000万円以内の決裁権があるため、条件が整えば平日中に判断が進む場合もあります。出口の決まっていない管理を続けるのは、費用と体力を使って傷みを待つことになりかねません。

老朽空き家解体費補助金|春日井市 https://www.city.kasugai.lg.jp/kurashi/1033189/1038894/1039004/1039005.html

「もう限界」を見極める7つのチェック項目

限界ははっきりした形では訪れません。感覚ではなく項目に落として見るほうが整理しやすくなります。

まず現状をチェックする

以下は、管理の負担を整理するために当社が用意したチェック項目です。法令上の認定基準ではありません。

  • この1年で、予定していた草刈りを一度でも先延ばしにした
  • 隣家・自治会・市から、雑草や庭木について言われたことがある
  • 往復に半日以上かかる、または移動そのものを負担に感じる
  • 1年以上、室内の状態を確認していない
  • 管理しているのが自分ひとりで、代われる家族がいない
  • 雨漏り・シロアリ・外壁の剥落など、見積もりを取っていない不具合がある
  • 名義が親のまま、または相続人の話し合いが済んでいない

3つ以上当てはまったら比べてみる

3つ以上当てはまる場合は、管理を続ける・貸す・手放すの費用と負担を具体的に比べるきっかけにしてください。3つ以上だから売却すべき、という意味ではありません。

とくに重いのは最後の2項目です。担い手が一人だけの状態でその方に何かあれば、次の世代が状態の分からない家を引き継ぎます。名義が未整理のまま次の相続が起きれば関係者が増え、手続きが進まなくなることもあります。限界を我慢の量で測ると判断が遅れます。3つ以上に印が付いたら、費用と負担を並べて比べる段階です。

手放すと決めたあとの流れ

手放すと決めても、やることが山積みになるわけではありません。実務の大部分は不動産会社側で進みます。

相談から引き渡しまで

段階 内容 所有者側の負担
①相談 状況と希望を伝える(査定は無料) 話すだけで済む
②現地調査 建物・敷地・周辺を確認 立ち会いが難しければ相談可
③査定・提示 根拠つきで金額と方法を提示 内容の確認
④契約・決済 締結後、代金の受け取りと名義移転 署名・押印と当日の手続き

当社では全スタッフが訪問調査から契約・決済まで一貫して対応します。担当者が変わらないため、事情を何度も説明し直す必要がありません。

荷物や名義が未整理でも相談は始められる

「片付けてから」「名義を直してから」と止まっている方が多いのですが、そこは相談を始める条件ではありません。以下は当社の取扱方針と実績です。

  • 残置物:家財が残ったままでも進められます(提携の残置物処分業者と連携)
  • 相続登記:未了でも相談や査定は始められます。ただし買主へ所有権を移すまでには、原則として相続登記を完了させる必要があります。当社買取の場合は提携司法書士と並行して進め、買取時の登記費用は当社が負担します
  • 契約不適合責任:売主様の契約不適合責任は原則として免責としています(契約書に明記)。ただし、雨漏りやシロアリ被害など、すでにご存じの不具合がある場合は事前にお伝えください。売却後のトラブルは0件です

相続登記は2024年4月1日から義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が必要です。それ以前に相続を知った不動産も対象で、期限は2027年3月31日とされています。片付けと登記の未了は、相談を止める理由になりません。売却までに整えるべきものと、今すぐ動けることを分けて考えてください。

相続登記の申請義務化に関するQ&A|法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html

春日井市で管理に悩む空き家を相談するには

当社に寄せられる相談内容をもとにしたモデルケースで考えます。名古屋市内に勤める50代の方が、母親の施設入所をきっかけに高蔵寺ニュータウンの実家を管理することになった。月2回、坂道の敷地に通って草を刈るが夏場は追いつかない。隣家から枝の越境を指摘され、市からも連絡があった。子どもは市外に出ており、戻る予定はない。

問題は家の価値ではなく、管理を担える人がもういないという一点です。解決も、管理の工夫ではなく担い手をどうするかに向けて考える必要があります。

一方で春日井市には、買い手側を後押しする制度もあります。要件を満たす空き家付き土地を購入して居住する方に、補助対象経費の10分の1・上限50万円を交付する補助制度です。対象は市の居住誘導区域内にある空き家で、1年以上使用されていないこと、売買や工事の契約を締結する前に申請することなどの条件があります。買い手を後押しする仕組みがある市なら、中古住宅を検討する層の背中を押す材料が一つ増えます。

当社が得意とするのは、他社で断られた物件・訳アリの物件・エリアの制約で手が出せないと言われた物件です。全国から買主を探せるため、地元だけでは成立しなかった組み合わせが成立することがあります。相談は決めてからより、迷っている段階のほうが選択肢が多く残っています。判断材料を揃えるところから、気兼ねなくご相談ください。

空き家付き土地の購入に対する補助金|春日井市 https://www.city.kasugai.lg.jp/kurashi/1033189/1038894/1039004/1039006.html

まとめ

Icon

空き家の管理の負担は、頑張りの不足ではなく構造の問題です。

  • 管理が重いのは作業量ではなく、終わりがなく代わりがいないことが原因
  • 春日井市は工業都市と住宅都市の顔を併せ持ち、中心部と郊外で空き家の事情が二極化している
  • 勧告を受けると住宅用地特例の対象から除外される場合があるが、指導の段階で改善すれば避けられる
  • 越境した枝は、催告に応じない場合などに隣家が切り取り、費用を請求できると考えられている
  • 残置物撤去・老朽解体・空き家付き土地購入など、春日井市には所有者・買い手双方への補助制度がある
  • チェック項目に3つ以上当てはまったら、続ける・貸す・手放すの費用と負担を比べる段階
  • 残置物や相続登記が未了でも、相談と査定は始められる

草むしりに追われて夏が終わる状態を、来年も繰り返す必要はありません。株式会社大鵬ハウジングは、春日井市の空き家について、持ち続ける場合と手放す場合の両方を並べてお伝えします。迷っている今のうちに、判断材料だけでも揃えておいてください。

春日井市の空き家買取・対応エリア

鳥居松町、勝川町、勝川新町、春日井町、高蔵寺町、白山町、藤山台、高森台、岩成台、石尾台、押沢台、中央台、高座台、上田楽町、熊野町、下条町、気噴町、木附町、廻間町、明知町

※上記に記載のない町名でも、春日井市内であればすべて対応可能です。市外・県外の物件についても全国対応でご相談を承っています。

x

強引な営業は一切いたしませんご相談・査定は完全無料!

トップに戻る